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思わず笑みがこぼれるアイデアと出会うには

2024.05.31
SHEARE

企画やデザインに取り組んでいるとき、いいアイデアが生まれるとワクワクする。そんな経験はありませんか?

広告クリエイティブでは、常により良いアイデアが求められます。
新たな発想、従来にない切り口でメッセージやそのアウトプットの仕方を打ち出しコミュニケーションの最適解を目指す。それがクリエイターのミッションです。

とは言えアイデアは突然、降ってはきません。
でも、ちょっとしたコツをつかめば、誰にでも生み出すことができます。
その核となるのが発想のフレームワーク。うまく活用すると、固定観念の枠を超えるアイデアの種がたくさん生まれてくるはずです。

それをもとに“最適解”を探っていくわけですが、まずは「面白い」と思える発想に出会うことが重要です。思わず笑みがこぼれてしまうアイデアとの出会い方をデザイナーの飛田がご紹介します。



この記事は、名古屋でコミュニケーションデザインを行っているトガルがお伝えします。

アイデアを出そうとするとき、課題や目標、ターゲットニーズの分析など事前準備をする段階である程度アイデアが見えることもあると思います。しかし、そのアイデアは本当に面白いのか自問自答し、“面白い”と思えるアイデアを考えようと目標設定することが大切です。

次に、アイデアに出会うまでの流れを押さえておきましょう。課題・目標の設定、ターゲットニーズの理解、競合やトレンドのリサーチ。これらの基本的準備を終えたら、発想のフレームワークを活用してアイデア出しをおこないます。ここでは、クオリティより発想の幅広さや量を重視します。極端に言えば、思いつきレベルのものでもいいと思います。また重要なのが、そのアイデアを早い段階で具体化すること。荒削りでいいのでチームで共有できるレベルに落とし込み、良い点・改善点を議論しましょう。他者の視点が入ることで、気づいていなかったことや間違いが見えてくるはずです。早い時期にアイデアをたくさん出し、フィードバックを通して方向性を絞り込んでいく。これが基本のステップだと思います。

アイデア出しの際、私が個人的によく用いるのはダジャレです。ダジャレから連想していくと、響きが良かったり、砕けたアイデアが生まれたりします。ダジャレで言葉からアイデアを発想して、ビジュアルに落とし込んでいきます。

単なる言葉遊びや親父ギャグだと捉えられがちですが、ブランドスローガンや商品のタグラインなど、長く使われる広告表現に用いられることも多いです。

ダジャレの例
・でっかいどお。北海道
・あしたのもと、味の素
・あなたと、コンビニ、ファミリーマート
・いってみヨーカドー
・インテル入ってる
・セブンイレブン、いい気分

一度は目にしたこと、耳にしたことがあるフレーズが多いのではないでしょうか。ダジャレは、親近感を演出したいときに効果的。メッセージが印象に残りやすく、込められた意図が老若男女に広く伝わるメリットがあると思います。さらに、ダジャレが決まればビジュアル表現のアイデアも広がりやすいですよね。

アイデアとは、潜在意識を掘り起こして顕在化させたものだと思います。そのために、ここで紹介する方法で、広告クリエイティブのアイデア出しをおこなっています。

アイデア出し4つの方法

「クルマの利便性」をビジュアルで訴求する場合


1.極限:大げさに表現
いつでも、どこにでも行くことができるというクルマの特性を、非現実的で大げさな表現で訴求する。
ex)いつでもどこへでも飛んでいけるはずの鳥が車を運転している

2.逸脱:クルマがない世界を表現
あるべきものがない状態を表現することで、その価値を再認識させる逸脱化。クルマがない世界を描くことで、たくさんの荷物を運ぶクルマのメリットを訴求する。
ex)飛脚が大量の荷物に押し潰されている

3.対比:ドライバーと歩行者を比べて表現
対象物を設定し、比べることでメリットを明確にする対比化。ドライバーと歩行者の対比により、快適な移動手段としてのクルマの利便性を訴求する。
ex)涼しい顔の運転者と汗をかき暑そうな歩行者

4.比喩:何かに置き換えて表現
現実離れした比喩表現で、ビジュアルインパクトを強める技法。いつでも、どこにでも行くことができるというクルマの特性を、鳥に置き換えて表現。
ex)クルマから翼が生えて空を飛んでいる


この4つの表現方法に訴求ポイントを当てはめてみると、発想がどんどん広がっていくはずです。アイデアがひとつ出ると、次のアイデアが芋づる式に生まれる可能性もあるので、まず極限、次に逸脱…と、1〜4の表現方法に沿って発想していくのがお勧めです。 オーバーな表現を探るこの方法は、ビジュアルアイデアの発想に向いていると思います。方向性が定まっていない場合、コンペ案件など、広くたくさんのアイデアが求められる場合に有効だと考えます。

物事を深く掘り下げる垂直思考の「ロジカル・シンキング」に対し、水平思考で発想を横へと広げる「ラテラル・シンキング」という思考法があります。マーケティングに活用する上では6つの視点が知られており、これを活用したアイデア出しは商品開発やコピーワークに生かせそうです。

ラテラル・シンキング
1.代用:商品やサービスの代わりになるものを考えることで、新たな価値や市場を開拓する。
2.逆転:商品の機能や特徴を逆にアピールすることで、新しい驚きを提供。
3.結合:異なる要素を結びつけ、新しい価値を生む。
4.強調:商品やサービスのある一面を強調し、他との差別化を図る。
5.除去:商品やサービスのアピールポイントを絞り込む。
6.並べ替え:既存の要素を新しい視点で配置することで、新たな価値を創造。


6つの視点を用いて順序立てて発想することで、自分の思考パターンにはないアイデアが広がると思います。この時点では、あくまでアイデアに出会うことが目的なので、リサーチしたデータとの整合性など正解を気にする必要はありません。

日頃から他者のアイデアや表現に意識的に触れ、気になったものはストックしておくと貴重な資源になります。ストックしたアイデアの応用法や展開例を考えてみるのも勉強になるはず。いざ新しいアイデアを生み出そうというとき、ストックからアイデアを引っ張り出したり、異なる表現を組み合わせたり、課題や条件に合わせてアレンジしてみると、新たなアイデアが生まれると思います。

ストックの基準例
・「面白い」「好きだ」と思った表現
・海外で話題になった表現
・新しい気づき、発見があった表現

広告コピーや考え方などはメモに残し、デザインや画像などのビジュアルはスクリーンショットに。気になる表現は、どんどん保存していきましょう。その際、表現方法ごとにフォルダを分けて保存すると、アイデア出し作業のときに引き出しやすくて便利です。

アイデアと出会う 5つのポイント
  • “面白い”と思えるアイデアを考えようという心構え
  • 幅広さと量、スピード感を重視
  • フックを作るダジャレ
  • フレームワークを活用してみる
  • 気になる表現を日頃からストックする

以上のような心構えと方法を身につければ、誰もがコンスタントにアイデアを生み出せるはず。課題や目的を念頭に、発想のフレームワークに素材を当てはめてみると、ワクワクするような新しいアイデアが生まれるかもしれません。企画として成立させるためには分析や選択の力が必要ですが、まずは「面白い!」と思わず笑顔になってしまうアイデアに自分から会いにいきましょう

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まこ
デザイナー
まこ
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半歩先のアイデア、共感を生む提案。

共感、時には違和感を生むクリエイティブで、ひとりでも多くの人が笑えるように。

企画・構成・編集:まこ/執筆:稲葉

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