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InstagramのUGCを活用してユーザーを惹きつけるには

2024.03.18
SHEARE

近年、企業のマーケティング活動の一環として「UGC」が注目を集めています。企業主導の広告ではなく、生活者目線の口コミや投稿を活かしたこのマーケティング施策は、商品やサービスの認知拡大、ユーザーとのエンゲージメント創出など、多くのメリットを生み出す効果があります。

本記事では、InstagramにおけるUGCの重要性や、UGCを生み出し活用していく手法について紹介します。

UGC自体は古くから存在するものですが、SNSの浸透とともにその重要性が注目されつつあります。まずはUGCのそもそもの意味や、SNS、特にInstagramにおけるUGCの重要性を見ていきましょう。

そもそも「UGC」とは何か

UGC(User Generated Content)は「一般ユーザーの生成コンテンツ」を指す言葉です。そこから転じて、ユーザー生成コンテンツを活用した企業のマーケティング施策を指すこともあります。

インターネット上の“口コミ”自体は昔からありましたが、その多くはレビューサイトに投稿されるなど、企業のマーケティングとは異なるところに存在していました。それが企業のマーケティング施策に活用されるようになった背景には、SNSの登場があります。

SNSの登場により、一般ユーザーは気軽に自分のアカウントで商品やサービスを紹介するようになりました。それに伴い口コミの量が飛躍的に増大していきます。またそれまでは匿名の口コミが大半だったのが、個人アカウントに紐づいたものになることで口コミ自体の信ぴょう性、情報価値も高まっていきました。

さらにSNSが情報収集ツールとしても機能するようになったことで、ユーザーによるSNSの口コミが別のユーザーの商品購入の検討材料になる、という流れが一般化していったのです。

ユーザーにとってのSNSの存在が重要になるに伴い、企業のマーケティングとSNSも切り離せないものとなっています。そのような中で、UGCは自社商品・サービスのPRのために重要性を増しているのです。

InstagramはUGCとの親和性が高いSNS

UGCはユーザー生成コンテンツのことを指すため、SNSだけでなくインターネット上にある口コミはすべてUGCに該当します。しかし企業がそれを自社のマーケティングに活用すること目的を考えると、ビジュアルコンテンツに特化したInstagramは企業の魅力や世界観をより詳細に伝えられるため特にUGCに向いているSNSであるといえます。

昨今はユーザーのInstagramでの発信を想定した上で企業側が商品開発を行うケースも増えてきています。ユーザーに「この商品をInstagramで発信したい」と思ってもらえるような商品・サービスを創り出し、さらに企業がそのUGCを活用して自社のPRを展開し、それを見て購入した人が自分のInstagramでも発信する。InstagramにおけるUGCはその好循環を生み出す役割を担っています。

「UGCはSNSマーケティングにおいて重要」ということは何となくわかっていても、では具体的にどういうメリットがあるのかはピンとこないという方もいるかもしれません。ここからは、UGCに取り組むことで企業にもたらされるメリットを説明していきます。

ユーザーからの信頼を獲得できる

ユーザーは常に多くの情報に囲まれており、そこから必要な情報を短時間で取捨選択しなくてはならない環境にいます。その中で、企業発信の広告よりも実際の生活者目線のリアルな情報を信頼するというユーザー傾向が生まれています。

だからこそ一般ユーザーのリアルな使用感や感想を伝えるUGCは、広告に比べて信頼に足る情報として受け取られるケースが多くなっています。特にそれをビジュアルで伝えることができるInstagramのUGCは、ユーザーの購買意欲を喚起する重要なコンテンツであると言えるでしょう。

自社商品・サービスの認知拡大が望める

UGCの数が多いことは、そのままSNSにおける自社のPRコンテンツの量の多さにつながります。加えてアルゴリズムの進化により、UGCはそれを生成したユーザーと似た嗜好を持っているユーザーに表示される可能性が高いこともポイントです。自社商品・サービスへの好意的なUGCを作成したユーザーと似たユーザーにリーチできることで、コンバージョン率の向上も期待できます。

コストを抑えて商品の詳細な魅力を伝えられる

UGCは基本的に一般ユーザーが自発的に生成するコンテンツのため、UGC活用により企業が広告出稿費、コンテンツ制作費を抑えられることは大きなメリットです。時に企業からの発信では伝えきれなかったディティールや便利機能などをユーザー目線で発信してくれるため、商品の深い魅力が伝わるコンテンツを広めることができるのも、UGCならではのメリットといえるでしょう。

生活者目線の商品開発につながる

UGCそのものにも広告に代わる役割を果たすというメリットがありますが、UGCの収集過程にもメリットがあります。

SNS上のUGCには好意的な意見ばかりではなく、使用した上でのデメリットや気になる点に指摘するものも少なくありません。逆に企業で想定していた以外の魅力が発掘されている場合もあるでしょう。そうした生活者による新たな視点を収集することで、商品開発やさらなるブラッシュアップに活かすことができるのも、UGC施策のメリットです。

ユーザーのエンゲージメント向上

SNSは一方的な発信の場ではなく、企業とユーザーがコミュニケーションを図れる場でもあります。特にUGCを生み出すユーザーの多くは企業の商品・サービスに対して好意的な印象を持っていることが想定されるため、そういった投稿に対して企業のアカウントがアクションすることで、ユーザーと企業の距離が一層縮まることが期待されます。

また、UGCを通じてユーザー同士の関係を深めることも、エンゲージメント向上につながります。企業側が考えたオリジナルのハッシュタグを使ってUGCを投稿するような流れをつくることができれば、そのハッシュタグがユーザーのコミュニティを生成する役割も果たします。同じものに対して感想を共有し合う機会は、自社商品・サービスへのユーザーの愛着を一層強めていくことでしょう。

一口にUGCといっても、その内容はさまざまです。いかに多くのUGCを創出できるかという「量」の問題もあれば、それを見たユーザーを購入につなげていけるような「質」の問題もあります。企業が認知拡大を目的にしているのか、購入促進を目的としているかによっても、打つべきUGC施策は異なります。

ここからは、InstagramでのUGC施策を効果的に推進していく上でのポイントを解説していきます。

前提として:自社のInstagram公式アカウントの育成

InstagramでUGCマーケティングを行う上で、自社の公式アカウントの存在は土台となります。世界観を工夫したり、有益な情報を発信したりしながら、ユーザーからみて魅力的なアカウントとしていくことが重要です。

先述した通り、アカウントの魅力を高める上で自社アカウントを用いてユーザーとのコミュニケーションを積極的に取ることもポイントです。自社独自のオリジナルハッシュタグをつくって投稿したり、ユーザーに使用してもらったりすることで、ユーザーを巻き込んで商品を承認し合う空気も生み出すことができます。

UGCの創出・収集:目的に応じたUGC施策を展開することがポイント

UGCにはさまざまな種類があり、その内容も多岐にわたります。効果的なUGC施策のためには「どのような種類のUGCがあるのか」「どのような目的に活かされるのか」を把握しておくことが重要です。

まずUGCの種類は大きく「企業主導」か「オーガニックな投稿」かに分けられます。「企業主導」というのはUGC創出のために金銭的なものを含むインセンティブを付与する施策で、対する「オーガニック投稿」は企業が内容などを指定せず自然に生まれた投稿のことを指します。それぞれの特徴や効果を見極めながら、必要なUGC施策を講じていきましょう。

インフルエンサーマーケティング

多くのフォロワーを持つ影響力の強いインフルエンサーを起用する、代表的な企業主導のUGCマーケティング手法です。テレビCMなどとは違いあくまで「生活者目線」での投稿を促す点でUGCの一種に数えられます。インフルエンサーの持つ多くのフォロワーにリーチできるため、「商品・サービスの認知度を拡大」を目的とする場合に有効です。

ただしインフルエンサーとの金銭契約が発生する点で企業主導の色が濃く、UGCのメリットの一つである「ユーザー発信の情報だから信頼できる」という点はやや薄くなる傾向があります。インフルエンサーマーケティングはUGCと区別して「IGC」と呼ばれることもあります。

アンバサダーマーケティング

自社商品・サービスへの愛着度の高いユーザーを「アンバサダー」に起用し、UGCを投稿してもらうマーケティング手法です。企業側がアンバサダーを選定する点はインフルエンサーマーケティングと同じですが、インフルエンサーと違い基本的にアンバサダーと企業の間に金銭的なやりとりは発生しません。

アンバサダーの起用人数にもよりますが、UGCの量を多く生むというよりも、熱量の高いUGCを得られる点が特徴です。そのため、よりユーザーの興味を喚起し、購入を後押しする効果が期待できます。ただしアンバサダーの選出も含め継続的なやり取りが必要となるため、短期的な成果を生みたい場合にはあまり適しません。

投稿キャンペーン

「企業主導」と「オーガニック投稿」の間にある施策が、投稿キャンペーンです。オリジナルハッシュタグを使用した投稿をすることによってクーポンや景品が当たるキャンペーンを実施することで、UGCの量を短期間で大幅に増やすことができます。写真をただ投稿してもらうのではなく、その人が思う商品やサービスの魅力が伝わるような写真を投稿してもらうことで、UGCの量だけでなく、価値や魅力が伝わるような質の高いUGCを生み出すことが可能になります。

Instagramの企業公式アカウントなどで二次発信

企業が「UGCをInstagramでリポストする(あるいはwebサイトに掲載する)」ことを宣言し、自身の投稿を取り上げてもらいたいユーザーが発信を行う、というUGC施策です。企業側からオリジナルハッシュタグを付けた投稿を呼びかける点はキャンペーンと同様ですが、キャンペーンと違い、金銭的・物的なインセンティブを絡めないのが特徴です。

企業がUGCをInstagramにて二次発信するには、ストーリーズでシェアする、外部アプリを用いてフィードにリポストする、という方法があります。ストーリーズは24時間で消えてしまいますが、UGCをハイライトにまとめておけばいつでも見返すことができる状態になります。

商品やサービスの熱心なファンにとって、公式に取り上げてもらうこと自体が名誉なこととなり、積極的に発信を行うことが予想されるため、インセンティブを絡めないオーガニックな投稿が増えることが期待されます。UGCの量を増やす意味でも重要ですが、既存のファンとの長期的な関係を構築していく点でもとても有効な施策となります。

UGCの活用:商品レビューや広告として使用する

UGCにはそれ自体にも優良な口コミとしての価値がありますが、マーケティングに昇華していくためには効果的な活用が必要です。InstagramのUGCの活用例としては、以下のものが考えれます。

自社コンテンツにおける二次発信

先述したInstagram公式アカウントでのリポスト、Webサイトへの掲載によってUGCを二次発信する方法です。購入を検討している人にとっては生活者目線での使用感が伝わるレビューとなるため、購入の後押しとなります。

購入を後押しする点で、UGCの閲覧から商品購入までの導線設計も重要なポイントです。例えば大手インテリアショップのIKEAでは、公式サイトにおいてユーザーのInstagram投稿を紹介しており、そこから商品購入ページに遷移できるようになっています。UGCを見たユーザーが商品の購入につながるような導線を敷くことで、よりUGCを有効に活用していくことができます。

広告クリエイティブに活用する

近年、ユーザーの広告への不信感が高まっていることから、UGCを活用した「広告らしさ」のない広告クリエイティブの方が興味・関心をもたれる傾向があります。

UGCを広告クリエイティブに活用するメリットは、Instagramのホームに馴染みやすいという点も挙げられます。また自社の制作コストを抑えられる点もメリットといえるでしょう。

InstagramでのUGC施策の注意点

一般ユーザーのInstagramの投稿を活用するUGC施策には注意点もあります。例えば企業側が広告・宣伝目的でインフルエンサーなどに投稿を依頼する場合は、その点を明示しないと景品表示法に違反します。依頼の際は、投稿に「#PR」を付けるなど広告・宣伝であることを明確にして発信してもらうようにしましょう。

Instagramの一般ユーザーの投稿をリポストなど企業側が二次発信する際にも注意が必要です。ユーザーの投稿を無断で使用することは著作権侵害にあたるため、企業が二次発信する場合は必ずユーザー本人に許可を取る必要があります。特に投稿キャンペーンなど、短期間に多くのUGCが生まれる場合は、規定に予め二次使用について明記しておくなどトラブルの発生を防ぐ工夫をしましょう。

また企業のInstagramでのUGC施策に伴い、個人情報取得を狙ってなりすましアカウントが発生することもあります。例えば、一般ユーザーによる投稿をリポストしている「Canon EOS Kiss」では、ハイライトにおいてなりすましアカウントに対する注意喚起をしています。被害の発生前に、こうした措置を講じておくことが必要です。

ここまで、InstagramのUGCマーケティング推進のためのポイントをお伝えしてきました。しかし根底の部分で企業が最も重要視すべきなのは、「ユーザーが自然と投稿したくなるようなコンテンツをいかに提供できるか」ということです。

今、マーケティング分野で注目されているのは“体験消費”と呼ばれる、「体験」に重点を置いたコンテンツです。ユーザーがInstagramに思わず投稿したくなるような体験消費とはどのようなものなのかを解説していきます。

“体験消費”とは?コロナ禍を経て「モノより体験にフォーカスする」傾向が加速

「〇〇が欲しい」「〇〇が食べたい」といったモノ自体に重点を置いた消費行動を「モノ消費」と言います。対して、「体験消費」はモノそのものではなく、商品やサービスによって得られる体験、経験に重点を置く消費行動を指します。コロナ禍を経て、近年ではこの「体験消費」を求める人が増加してきています。

体験消費で代表的なのは、レジャー施設やテーマパークなど、家の外で楽しめるものです。背景には、コロナ禍における行動制限から解放されたことで活動意欲が高まっていることがあります。リアルな場での人との交流やおもてなしを求める人が増えていることも、体験消費が重視されている一つの理由となっています。

体験消費とUGC

体験消費は、ユーザーにInstagramでのUGC生成を促す上でも重要なものとなっています。その背景には、ユーザーにとってのInstagramの存在意義の変遷があります。これまでの「インスタ映え」は、食べ物や場所などの“モノ自体”にフォーカスを当てている面がありました。しかし今やInstagramは単に写真を載せる媒体ではなく、ユーザーの自己表現や自己ブランディングの役割も担うツールに変容しつつあるのです。

体験消費はモノそのものではなく、その先にある自身の体験を重視しています。つまり体験を通じた「自分自身」を発信できる体験消費は、Instagramでの発信とより親和性が高いものとなっているのです。魅力的なモノを写した「インスタ映え」よりも、魅力的な体験を通じて自分を表現できる体験消費は、ユーザーによるInstagramのUGCを創出していく上での需要なキーワードといえるでしょう。

「発信したい」と思ってもらえる体験を提供することがUGCを生む

ユーザーにInstagramに発信したいと思ってもらうためには、「体験」を重視したコンテンツづくりが必要です。そこでしかできない魅力的な体験、経験を提供することで、自然と「この体験をInstagramで発信したい」と思ってもらうことができるのです。

また「体験消費」というと外出先での体験に限られると思われがちですが、例えば洋服や化粧品などの有形商材の場合、「それを身に付けた自分」という未来の体験と紐づけるアプローチが考えられます。この商品・サービスを購入することで得られる「特別な体験」を妄想させることが重要となるのです。

企業発信の広告はどうしてもモノ自体にフォーカスを当てたものになりがちですが、あえて「購入した先にある特別な体験」を想起させるようなモデル投稿をして、ユーザーにマネして投稿してもらうことも有効です。

InstagramのUGC施策の5つのポイント
  • 「認知」「購入促進」などの目的に応じUGC施策を使い分ける
  • 自社アカウントの魅力も高める
  • UGCを販促や広告に効果的に活用する
  • UGCの注意点を把握し対策を行う
  • UGCを生み出す「体験消費」を意識する

UGC施策は多岐にわたるため、目的を明確にした上で効果的な手法を取ることが重要です。効果的に運用していくために、コンバージョン率など定量的な測定ができる点についてはしっかりと効果測定を行った上で次に活かすことも必要となります。

UGCの内容を企業側ですべてコントロールすることはできませんが、「体験消費」へのニーズを意識しながら、魅力的なUGC生成に導いていくなどの戦略も必要となります。企業が主導する点と、自然発生的な投稿を生み出す点のバランスに留意しながら、効果的にUGCを活用していきましょう。

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