TOP > CONTENTS INDEX > Z世代はInstagramとTikTokを使い分けて行きたい

CONTENTS

SCROLL

Z世代はInstagramとTikTokを使い分けて行きたい場所を検索する

2024.07.29
SHEARE

さまざまなユーザーが、日々最新の情報を発信するSNS。Z世代にとってSNSはエンターテインメントを楽しむだけのツールだけではなく、気になった情報を検索するツールとなっています。

特にグルメやお出かけ先の店舗を探すとき、Z世代はGoogle検索よりも先にInstagramやTikTokで検索しています。そこに投稿された写真や動画を見ながら、行ってみたいと思える美味しそうなお店、オシャレなスポットの情報を集めているのです。

そこで今回の記事では、Z世代である筆者の目線から、Z世代のお店選びにおけるInstagram・TikTokの利用実態を解説します。またZ世代が思わず「行ってみたい」と思ってしまうようなInstagram・TikTokの投稿の特徴も紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
この記事は、名古屋でSNS運営を行っているトガルがお伝えします。

野村総合研究所が2021年に実施した「生活者年末ネット調査」(※)によると、情報収集の際に検索エンジンを使用する割合が、2016年から2021年の5年間で10代では78%から69%、20代では87%から70%と大きく減少しています。一方でSNSを使用する割合は10代で67%から73%、20代で49%から68%と増加。この調査からも、Z世代の主な情報源が検索エンジンからSNSに移行しつつあることがわかります。

出典:NRI「生活者年末ネット調査」(2016年12月、2021年12月)のデータをもとにトガルが作成


実際に私も生活をしている中で、何か気になることがあったときにまずSNSで検索しています。「気になること」の中身はエンターテインメントだったり電車の遅延だったり新作コスメだったりといろいろ。電車の遅延ならタイムリー性の高いX(旧Twitter)、新作コスメだったらInstagramなど、気になることの中身に応じてSNSを使い分けて検索をしています。

そして「○○駅のあたりでどこかいいお店ないかな?」「最近流行っているあのスポット、実際どんな感じなんだろう?」と、Z世代がお出かけ先を検索するときに主に使用しているSNSがInstagramとTikTokです。なぜGoogleなどの検索エンジン、そしてXといった他のSNSでなく、InstagramとTikTokが重宝されるのか。その理由をZ世代の価値観から紐解いていきましょう。

私たちZ世代は毎日大量の情報に囲まれ、それを高速で捌きながら自分にとって必要な情報を得ています。そんなZ世代にとって、情報収集で重視するのはスピード感。株式会社KIRINZが行った「グルメ情報の検索における活用法」に関するアンケート調査(※)でも、グルメ情報を検索する時に要する時間について、47%が「15分以内」、35%が「15分~30分以内」と回答しています。つまり8割以上が短い時間でサクッと検索しているんです。

出典:グルメ情報の検索におけるInstagramの活用法(株式会社KIRINZ調べ)のデータをもとにトガルが作成 


その点で、文字ではなく写真や動画といったビジュアルでパッと情報が得られるInstagram、TikTokがとても役に立ちます。特に動画は短い時間で得られる情報量が多いので、タイパを重視するZ世代にとってInstagramのリールやTikTokなどのショート動画は特に有効な情報収集手段といえます。

そしてビジュアルコンテンツには素早く情報が得られるということの他に、「その場所の雰囲気・世界観が伝わる」というメリットもあります。これが特にZ世代のお店選びに重要なんですね。

なぜかというと、私たちZ世代にとって「そのお店に行く=写真や動画を撮って発信する」がセットになっているから。そのお店に行って第三者に発信することが自己ブランディングの一環になっているからこそ、お店の雰囲気や世界観はとても重要です。だからそれを他の人の投稿で事前に確認できるInstagramやTikTokを重宝しているというわけです。

理由1と同じく、なるべく時間をかけずに必要な情報を得る上で、InstagramとTikTokの投稿フォーマットも重要です。

Google検索の場合、遷移したサイトごとにフォーマットが異なるため、必要な情報が記載されている場所を探したり、一回一回情報を読み込んだりするのに労力がかかります。

しかしInstagramやTikTokの場合、投稿フォーマットはすべて同じ。Instagramは最大10枚の写真+キャプション、もしくはリール+キャプション。TikTokは基本的にショート動画+コメント。頭を使うことなく、同じ手や目線の動かし方で情報を得ることができるため、スピード重視の検索においてとても使い勝手良いのです。

InstagramもTikTokも検索後の画面はサムネイルが一覧で表示されるため、検索結果で気になる投稿がパッと目につきやすいのもポイント。「検索して気になる投稿を見つける→詳しく見る→必要な情報を得る」という導線がとてもスムーズなのが、Z世代にとってとても魅力的なんです。

Z世代の重要な価値観の1つに「失敗したくない」というものがあります。タイパ重視と同じくなるべく時間を有効活用したいという心理が、失敗して時間やお金をムダにしないように慎重にリサーチする行動につながっています。特に飲食店などのお店は過ごす時間も長い分、リサーチもより慎重になります。

そんなZ世代が信頼するのが、自分と同じZ世代の口コミ。InstagramやTikTokには自分と同じ感覚を持つであろうZ世代の投稿がたくさんあるため、Z世代にとって信頼できる情報源となっているのです。

投稿そのものももちろんですが、その投稿主の他の投稿を見れば、自分と同じ感覚を持つ人かどうかがすぐに分かるのもポイント。投稿した人の世界観も含めて自分の好みに合っているかを確認し、慎重にお店選びができるというわけです。つくられていない等身大の投稿を見ることで、自分がその場にいる様子を想像しやすいのも嬉しいポイントですね。

ここまで「Instagram・TikTok」と一口に言ってしまっているのですが、もちろんInstagramとTikTokは機能や特性が異なります。お店を探す場合、どちらも「#場所名+グルメ」「#場所名+カフェ」「#場所名+観光」などハッシュタグ検索を行うのは同じですが、目的や用途に応じてInstagramとTikTok検索を使い分けるのがZ世代の検索常識です。

ここからはInstagram、TikTokの特徴に応じてZ世代がどう使い分けて検索しているのか、その実態を見ていきましょう。

Instagram検索の一番のポイントは「投稿数の多さ」です。「#場所名+グルメ」で調べた場合も、具体的な店舗名で調べた場合も、どちらも膨大な情報量を得られます。

また、投稿数が多いだけでなく1投稿における情報量が多いのもInstagramならではの特徴。もちろんこれは投稿する人によって差はあるのですが、特にグルメ系情報の投稿の場合、複数写真+動画でそのお店の情報を事細かに伝えるのがメインストリームです。雑誌のような感覚で詳細情報をゆっくりと読み込む際にInstagram投稿を非常に重宝しています。

そのため私たちZ世代は網羅的に情報を集めたいとき、比較したいときにInstagramでの検索を活用しています。Instagram検索だけである程度の情報が網羅できるため、TikTokよりも具体的な行動につながりやすいかもしれません。

位置情報を活用した検索ができる

下記はInstagramの位置情報画面。
左が「現在地付近を検索した結果」右が「店舗名で検索した結果」です

現在地付近を検索した結果
店舗名で検索した結果

もう1つのInstagram検索のポイントが「位置情報」。
Instagramでは位置情報タグが追加された投稿が多いため、場所や店舗の名前でハッシュタグ検索を行うだけでなく、位置情報タグを利用した検索(地図検索)が可能です。

位置情報のメリットは、投稿に位置情報タグが追加されている場合すぐに場所を調べられるということ。また検索タブの右上にある地図マークを押せば現在地付近のお店を簡単に探せるため、特定のお店を検索する場合だけでなく、行きたいエリアから情報検索ができるのもメリットです。地図上のお店をタップすると公式アカウントや一般ユーザーの投稿が一覧で出てくるため、すぐにどんな投稿があるのかを確認できるのも嬉しいですね。

「投稿→地図」「地図→投稿」の両方の導線があるので、とても使い勝手が良い機能となっています。

トレンドの発信地として最新の情報を収集

今や、Z世代のトレンドのほとんどはTikTok発といっても過言ではありません。ショート動画にはInstagramのリールもありますが、基本的にはTikTokで流行したものがInstagramのリールに流用されることが多いため、ちょっと一足遅い印象も。
いち早く流行を押さえておきたいZ世代にとって、まずはTikTokを参考にするというのが主流です。

それはお店選びをする際も同じ。詳しく調べたい場合にはInstagramを使用することが多いですが、「流行っているお店を知りたい」というように、漠然とトレンドを知りたい場合はTikTokを使用しています。

ショート動画という隙間時間で見られるツールだけに、Instagramよりもどちらかというと受け身な情報収集となっている面も。「流行っているスポットの情報をストックしておいて、気になったものを後から詳しく調べる」というような使われ方をされることが多いのも特徴です。

フルスクリーン動画やコメントから、「リアル」な情報を得る

TikTok活用ポイントの2つ目が「リアル感」。フルスクリーンで動きのあるカットを組み合わせて作成されている動画が多く、実際の様子をイメージしやすいのが魅力です。

さらにTikTokの場合、コメント欄が盛り上がる傾向にあるのも特徴。視聴者からの質問に対する回答や口コミをコメント欄で確認してリアルな追加情報を得られることも、「失敗したくない」価値観を持つZ世代にとって魅力となっています。

InstagramやTikTokで行きたいお店を選ぶZ世代。ただし日々増えていく投稿の中でZ世代に選ばれるためにはさまざまな工夫が必要です。

Instagram・TikTokの検索から実際にお店に足を運んでもらうまでには、「検索→投稿閲覧→検討→行動」のステップがあります。まず検索画面からまず投稿を見てもらうためにはどうするのか、どのような投稿だと「行きたい」と思ってもらえるのか、Instagram・TikTokの投稿のポイントを解説していきます!

検索一覧画面で目を引く分かりやすさ・オシャレさ

下記はInstagramの検索一覧画面です。
左が「場所名+〇〇」で検索した結果で、右が「店名で検索した結果」です。

「場所名+〇〇」で検索
店名で検索

Instagramで検索した際には、投稿の1枚目が一覧で表示されます。そのため、検索画面に唯一表示される1枚目の画像はとても重要。目を引くオシャレなデザインで、かつ何に関する投稿なのかを一目でわかってもらう必要があります。

まずは当然、店舗名・商品名、そしてエリアを大きく記載しておくのは必須です。ただし情報を詰め込みすぎると埋もれてしまうため、最低限の情報のみをシンプルに記載するのが良いでしょう。検索一覧の中でリールは大きく表示されるため、リール投稿に振り切ってみるのも1つの手かもしれません。

世界感が伝わる+写真だけで完結する投稿

Z世代が行きたいお店選びの情報収集の際に求めるのは、モノだけではなく全体的な世界観が伝わる投稿です。そのため商品だけでなく店舗の入口や内装もわかるような写真を複数枚載せ、店舗に来るからこそ味わえる世界観をリアルに想像してもらえるような投稿としましょう。

また短時間でより多くの情報を得たいZ世代にとって、いろいろなところに目線を送る必要があるのはやや億劫に感じられます。商品名や価格など、お店についての情報はキャプションだけでなく写真の中にも記載すると写真とキャプションを交互に見る必要がなくなるため好印象です。写真だけで雑誌のように情報がまとまっていると、見て楽しめるコンテンツとして注目される投稿になるはずです!

位置情報も含め、網羅的な情報を

Z世代は多くの情報の中からなるべく時間をかけずに自分の気になるコンテンツを見つけたいと思っています。気になる店舗を見つけたけれど、住所しか載っていない場合は、いちいち地図アプリを開いてどのあたりかを確認する必要がありますよね。なるべくそういう手間をかけなくて済むよう、位置情報を投稿に追加するなど、投稿を便利な情報源としていく工夫が重要です。

投稿を見る人が知りたいであろう情報の項目を洗い出し、それをできるだけ投稿内に盛り込んでいきましょう。

サムネイルとキャプションでオシャレさ+動画の概要を伝える

下記はTikTokの検索一覧画面です。
左が「サムネイルに情報が掲載されている例」で検索した結果で、右が「キャプションに情報が掲載されている例」です。

サムネイルに情報が掲載
キャプションに情報が掲載

TikTokの検索画面では、投稿が2列で表示されます。Instagramと同様、まずはサムネイルの時点でオシャレさや動画の概要が伝わるものとなっていることが重要です。

Instagramと異なるのは、キャプションの文章やハッシュタグの一部もサムネイルに表示されること。「見てみたい」とフックになるようなインパクトのある文章を記載しておくと、動画視聴のきっかけになる可能性があります。

また検索画面ではスクロールしていくと動画が自動的に再生されます。そのため最初の数秒でユーザーを引き込むようなつかみを仕込んでおくのも良いと思います。

15~30秒の短尺にする

先ほども述べた通り、TikTokは隙間時間にさっと情報を得るために活用しているユーザーの多いアプリです。じっくりと情報を調べるというよりも、なるべく手軽に流行りの場所や美味しそうなグルメ情報を入手できるという短いコンテンツとした方がTikTokユーザーとの親和性が高いでしょう。

動画の撮影や編集を凝りすぎず“リアル感”を大切に

Z世代がTikTokの情報に求めるのは、映えよりもリアル。プロが撮影・編集したような出来栄えのコンテンツは見ている分は楽しめますが、実際と乖離しているのでは?と思わせてしまうと情報源として好まれません。そのため自分が訪れても同じ体験ができると思ってもらえるような、「普通の人が撮った」親しみやすいコンテンツに仕上げるのが良いでしょう。

リアルな情報を求めるユーザーに向けては、コメントの質問返しなどで追加の情報を提供していくのも良いと思います。コメントでコミュニケーションを取ることで身近な存在として親しみやすさが増すのもポイントです。

Z世代に選ばれる場所になるための、Instagram・TikTok投稿5つのポイント
  • ・Z世代はつくりこまれた投稿よりも「Z世代目線」「リアル感」のある投稿を求めている
  • ・短い時間でサクッと情報を得られる工夫を行う
  • ・検索一覧から選ばれるよう、お洒落で伝わるサムネイルを意識
  • ・Instagram検索では、網羅的な情報が詰め込まれた投稿が求められている
  • ・TikTok検索では、自分が訪れた際に見える景色がわかる投稿が求められている

Z世代は、タイパを意識して効率的に情報を得つつ、なるべく失敗しないように慎重にお店選びをしたいという、一見矛盾する願望を持っています。そんなZ世代にとって、気軽にお店の情報を検索でき、なおかつ同世代のユーザーのリアルな声を参考にできるInstagramやTikTokのコンテンツは情報源として大きな価値をもっています。

この矛盾する願望を同時に叶えていくために、まず「パッと見」で惹きつけるオシャレ感や世界観を投稿に落とし込むこと。なおかつ必要な情報を1つのコンテンツの中で網羅できる“濃い”コンテンツづくりを行うことが重要です。検索画面で一覧表示されたときの見え方にも配慮しながら、Z世代を惹きつけて行動に移させるようなコンテンツづくりを行っていきましょう。

名古屋で「Z世代向けSNSマーケティング」するならトガル株式会社へ

お問い合わせページよりご相談ください>

みーちゃん
企画編集担当
みーちゃん
企画編集担当
メディアリサーチとライティングでSNSの新たな可能性を生み出す。
Z世代の視点を取り入れ、メディアの新たな繋がりを創出する。

企画・構成・編集:みーちゃん/執筆:西村

SHEARE

人気記事ランキング

RANKING
RANKING