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オウンドメディアの運営と体制づくりのポイント

2023.08.28
SHEARE

オウンドメディアの立ち上げに際して重要なことの一つに、掲載内容であるコンテンツ制作の長期継続という課題があります。人員体制を整えてチームをマネジメントし、一度立ち上げたチームはドロップアウトを出さずに続けられる環境を設定することで、長期的なオウンドメディアの運営が実現するでしょう。
この記事は、名古屋でオウンドメディア制作・運営を行っているトガルがお伝えします。

オウンドメディアは2~3年というスパンで運営を続けて、ようやく成果が出る世界です。早々に成果を求めると意義を見失ってしまうでしょう。また、成果の設定を間違えてもいけません。

オウンドメディアの成功には、正しい目標設定と良質な記事が必要となります。

そのためは、組織、運営メンバー、などの体制づくりと運用方法が重要。しかし、目標設定と体制づくりをしっかり設計したとしても、最初から思ったような成果が出ることは稀です。重要なのは、忍耐強く、長く続けること。そのためには社内外のメンバーを集めた柔軟なチームを作ることがポイントとなります。

オウンドメディアの運営メンバーは、無理をして専任をつくらず、兼任で構いません。オウンドメディアは経営的にもすぐに利益に結びつきません。そんな先行投資型のプロジェクト運営に専任スタッフを配置するのは難しい場合が多く、他の業務との「兼務」で担当するケースが多いでしょう。

適任者を探す過程において、商品企画、広報、営業、工場(現場)、経営企画、など様々な部署の人材から集まる「委員会」方式、つまりチーム・オウンドメディアを構築することをお薦めします。さまざまな視点からの商品・会社の魅力を語ることでより納得感のある記事が生まれると共に部署を超えての連帯感を生む効果もあります。

集まったメンバーを交え、月に数回の会議を行いましょう。必ずしも毎回、全メンバーが集結する必要はありません。オンラインで意見をもらったり、アンケートを集計してもらったり、月に一本のコンテンツを提供してもらうだけでも有益なのです。

また、決定権を持つ上司をチームに入れることができれば、承認が必要な様々な局面で絶大な効果を発揮します。このように、異なる専門を持つ複数人でチームを作ることで、1人に集中する負荷を散らし、多様な意見を取り入れることができるのです。

オウンドメディアの運営者と外部パートナーの関係は、場合によっては運営まで任せられる心強い相棒になりえます。記事の執筆だけを依頼するといったケースから、メディアの計画から運用までオウンドメディアのマネジメントを丸投げする方式など、パートナーとの関わり方は様々です。

「監修者」として専門家との縁を活用できれば、オウンドメディアの権威性や信頼性を飛躍的に向上させてくれるでしょう。専門家はこれまでの実績と、相応のスキルを持っていることが強みです。

専門家が記事を書く場合は、平易な言葉や表現に直す必要があるものの、他社との差別化につながるはずです。仮にライターが誰であっても、その記事に監修者が入ることによって、内容が真実に沿ったものだという権威からの「お墨付き」が与えられるのです。

オウンドメディア運営においては、チームは1つの「出版社」のように運用したいものです。メンバーは他部署と兼任しているケースが多いので、メンバー同士が常にオフィスで近くにいるとは限りません。

Web上での情報共有は必須であり、メンバー間の連絡には「チャットワーク」・「Slack」など、寄稿文の共有には「ドロップボックス」や「Googleドキュメント」を、スケジュール管理・効果測定管理には「Googleスプレッドシート」を活用するなど各ツールも活用したいものです。

誰が何の仕事を持っているのか、どこまで進んでいるのかという進捗を、編集長だけでなく全員が把握することが重要です。特に運営において最も大切なことは、スケジュールを守ること。編集長は、社内外のさまざまなスケジュール管理を行わなくてはなりません。もちろんライター兼任の編集長であっても同じことです。理想的なのは、同時に複数の記事を進行して、常時原稿を蓄積しておくことです。

コンテンツの書き手と編集者は、可能な限り分けてマネジメントしたいものです。書き手は執筆や画像の作成といったコンテンツ制作に全力投球し、編集者はデザインふくめた全体を俯瞰した上で、書き手から受け取った内容の編集作業に注力します。

書き手は記事の企画、骨子の作成、本文の作成などを担当し、編集者は入稿された記事を編集して校正、画像を制作し、投稿までの設定に全責任を持つのです。書き手と編集をきちんと分離することで、複数の視点が制作に入り、優れたオウンドメディア制作が実現します。

オウンドメディアにおいて、連載やシリーズ企画を立ち上げることも非常に効果的です。通常のコンテンツ作りと同様に、ユーザーのペルソナ設定を行い、狙ったターゲットにアプローチできる企画を考えましょう。

連載を読んだ人に何を伝えたいのか、そもそも読者にとってどんなメリットのある企画なのかを決めましょう。他企業とのコラボレーションも効果的です。自社では実現できないプロジェクトに着手したり、新しい発想を吸収したりできるほかに、協力企業にも拡散してもらえるという、優れたメリットがあります。

ハイクオリティな記事を発信し続けるためには、それなりの管理体制と、実現するためのプロセスが不可欠です。1つの記事を作り上げるまでの過程を整理し、各工程の担当者を明確にして運営を行いましょう。いずれの課題にも共通して、タスクの「見える化」が重要です。忘れている作業に気づくことができ、上司や周囲に必要なリソースや足りないリソースも示せるようになるからです。

編集部の立ち上げと同時に、これから実施する会議の内容や頻度も決めましょう。オウンドメディア運営で必要な会議は、編集会議と企画会議の2種類です。

編集会議は進捗の管理やタスクの共有、意思の疎通を行うための会議です。

<編集会議 議題例>
〇最新情報の共有 〇各種指標の推移を観察 〇前回記事の効果をチェック 〇前回記事の考察・反省を共有  〇次回記事の状況の確認

企画会議は、記事のアイデアラッシュともいえる会議です。メンバーで記事のアイデアを出し合い、月に一回の頻度で開催すれば、アイデアが枯渇しにくくなるでしょう。

オウンドメディアの運営は、社内の理解や共感なしには、成立しません。短い期間では成果の出ないプロジェクトなので、社内の強い意思決定権を持った人物の後押しがあるかどうかは大きな影響を与えます。

社内啓蒙の方法は、オウンドメディアの成立経緯によって変わります。トップダウン型は、経営者や事業責任者、つまり上からのアイデアによりオウンドメディアの検討が始まるケース。この場合は経営者サイドの承認が得られた状態で始まるというメリットがあります。

トップダウン型の注意点とは?

仮にトップダウン型でオウンドメディア運営が決まっていたとしても、その経営者や事業責任者がプロジェクトの全容を正しく把握しているとは限らないものです。他社がオウンドメディアで成功している状況を見て、なんとなく「わが社もやってみよう」という感覚だけでスタートしたケースや、すぐ成果が出る、社員で書けばたいしてコストがかからない等と誤解している場合などは、オウンドメディアの現状をきちんと理解してもらわないといけません。

トップダウンで決まったからと啓蒙を怠っていると、半年も経たずに上から成果を求められ、成果が出てないことを理由にさっさと打ち切られてしまうでしょう。それまでの努力が徒労に終わらないためにも、必ず上司との事前の認識合わせや上司・社内への啓蒙活動を行いましょう。

ボトムアップ型の注意点とは?    

ボトムアップ型というのは、下から上へ、つまりは現場の声によりオウンドメディアの検討が始まるケースのこと。この場合は上層部への啓蒙活動はより慎重に、丁寧に行うべきです。オウンドメディアは短期的に成果が出る施策ではありませんが、成功すれば会社にとっての有形無形の利益を長期的に生み出します。そのことを理解してもらうため、以下のような重要事項を上層部と共有しましょう。

〈上層部への理解を求める項目とは〉
・目的・目標・成果といった未来像を提示する
・競合の動向も見せて伝える
・オウンドメディアの運用計画をきちんと伝える
・人員含めた運営体制を説明する
・必要な予算への理解を得る
・現在の課題、問題点を率直に伝える
・顧客のニーズやインサイトを図説する

社内全体にもオウンドメディアの意義を啓蒙できていれば、いざという時に協力を取りつけやすくなります。他部署の社員をチームに誘導する際などは、貴重な戦力を渡したくないという直属の上司からの反対を受けるケースもあるはず。上で述べたような啓蒙活動が浸透していれば、そうした事態を避けることができるのです。

オウンドメディアの立ち上げ段階で運営体制をきちんと構築すること、上層部や社員たちから長期的な支持を得るための啓蒙活動などは特に重要です。記事の企画や文字数、どのようにデザインするかといった制作面にのみ注力せず、オウンドメディアを成功させるための人員確保をふくむマネジメント体制づくりを進めましょう。目的を共有し社内一丸となって取り組める体制を作ることが、オウンドメディアの成功につながっていくのです。

オウンドメディア運営と体制づくり5つのポイント
  • 組織  担当者を決め、組織体制を構築する
  • 外注  内製と外注を柔軟に使い分ける
  • 共有  情報の共有体制を構築する
  • 工程  工程を明確にしてスケジュールを管理する
  • 啓蒙  社内啓蒙で安定した運営を手に入れる

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トガル株式会社 / コミュニケーションデザイナー
コッジ
トガル株式会社 / コミュニケーションデザイナー
クリエイティブとテクノロジーを組み合わせたコミュニケーションの全体設計、クリエイティブディレクション・データ分析までを手がける。
シンプルでエッジの効いたデザイン・コミュニケーションを得意とする

企画・構成・編集:小嶋/執筆:菅原

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