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オウンドメディアを広めるSNS運用

2023.09.19
SHEARE

オウンドメディア制作において、コンテンツのクオリティや企画の方向性は確かに重要です。しかし制作面のみに注力していては、望むような成果は得られないでしょう。記事をアップして情報を発信するだけでは、ユーザーの心を捉え、その行動を動かすまでには到らないのです。今回は、コンテンツを検索以外の方法で「拡散」し、より多くのファンづくりの導線となる「SNSの運用」について考えていきましょう。

近年はマスメディアの接触が減り、SNSでの接触が増えています。下図の総務省の「年齢階層別のSNS利用状況(ソーシャルネットワーキングサービス)」を見てみましょう。SNS利用率は20~29歳で90%以上、30~39歳でも86%の利用率、そしてどの年代でもSNSの利用率が高まっていることが分かります。

出典:総務省「通信利用動向調査」

SNSは利用率の高さもさることながら検索でも多く利用されています。
野村総合研究所の調査では

インターネットによる情報収集で使用する情報源では、従来のGoogleやYahoo !等の検索エンジンを使用した情報収集に加え、SNSを利用した情報収集活動の割合が高まっている。2021年調査では、各年代でSNSによる情報収集の割合が5年前に比べて伸びており、特に10代・20代の若年層では検索エンジンによる情報収集が大きく減少(それぞれ78%→69% 、87%→70%へ)していることから、SNS が検索エンジンと並ぶか若干それを上回る情報収集のメインツールになりつつある

出典:NRI

とあります。

出典:NRI「生活者年末ネット調査」(2016年12月、2021年12月)のデータをもとにトガルが作成

メディアの接触方法が変わり、Webサイトの検索は減少傾向にあるため、SEOだけに頼る集客が厳しくなっていきます。今や、オウンドメディア運営においてのSNS運用は、必要不可欠と言えます。

SNS活用のメリットの一つに、SEOに対してポジティブな影響を与える可能性が挙げられます。ユーザーが、SNS投稿のシェアやリツイートによって拡散された記事を気に入ってブログ等で紹介すれば、間接的ですがSEO効果を上げる可能性があります。この様に露出が増えることで一般ユーザーだけでなく、メディアサイトなどにも取り上げられることで、専門性、信頼性の高いサイトから被リンクを受ける可能性も高まります。つまりSNSを成長させることでSEO評価を高め、サイトを成長させることができるのです。またSNSという発信源をもう一つ持つことで、オウンドメディアへの集客を安定させることもできます。

SNSの拡散は、ユーザーの行動だけで決められているわけではなく、アルゴリズムも影響します。アルゴリズムとは、アカウントから投稿されたコンテンツに対して、一定の規則や関連性をベースに抽出されたコンテンツをユーザーへ届ける仕組みのこと。各SNSではアルゴリズムを公式に発表しているものもあります。

SNS上で情報が広がっていくためには、ユーザー同士で情報をシェアすることも大切です。キャンペーンやインフルエンサーを起用せずに拡散してもらうためには、彼らのニーズを満たした投稿を継続的にリリースしたいものです。投稿内容がニーズを満たしていれば、大々的なキャンペーンやインフルエンサー起用が無くても、ユーザーから別のユーザへと情報が拡散されやすくなるでしょう。

ユーザーと双方向のコミュニケーションが実現することは、SNSの大きなメリットです。商品やサービスが売れにくくなっている今、購入につながるユーザーのロイヤリティを獲得するには、双方向のコミュニケーションが大切です。

Webサイトは一方的な発信しかできませんが、SNSならユーザーからのリアクションを確認でき、積極的な対話が生まれます。ユーザーのコメントを参考に、今後の投稿や商品開発、あるいはマーケティングに生かすこともできるでしょう。投稿内容がユーザーニーズを満たしていればファン化、そして記事の拡散にもつながっていきます。

SNSのユーザーが情報を収集するときに使っているSNSツールを見ると、「Twitter」が66%で1位。「Facebook」は19%と減少するなかで「Instagram」55%が大きく伸び2位となっています。Instagramは「インスタ映え」の流行を作り出し、情報が増えるとともに、検索での利用も大きく伸びてきているのです。

※TikTokは2016年にサービスを開始したばかりであったため、2016年調査では選択肢にいれていない。出典:NRI「生活者年末ネット調査」(2016年12月、2021年12月)のデータをもとにトガルが作成

「SNSを情報収集に使う理由」を聞くと、最も多いのは2016年と同じ「最新の情報をいち早く入手したいから」で47%となっています。一方「話題のネタなど、おもしろい情報を見つけることができるから」は44%、「知りたい情報をコミュニティごとに検索できるから」22%、「家族・友人・知人など周りの人が使っているから」は25%で、10ポイント以上増加しています。「災害、事件、電車遅延などの状況をリアルタイムで知りたい」「撮影された写真や動画が多い」も伸びてきており、SNS検索のニーズそのものが多様化して使い分けられている様子も分かるのです。

※SEO対策:検索エンジン最適化とよばれ、GoogleやYahoo!等の検索エンジンによる検索結果で特定のサイトを多く露出するために行う対策のこと。

出典:NRI「生活者年末ネット調査」(2016年12月、2021年12月)のデータをもとにトガルが作成

オウンドメディアと相性の良いSNSとは、どんなものでしょうか。その特徴やメリット、さらに活用ポイントなどをご紹介しましょう。

ビジュアルで幅広い層へ届けるInstagram

Instagramは画像で訴求するSNSです。そのメリットは、画像で商品やサービスの魅力を伝えられること。テキストでは伝えにくい分野において画像の力を用いれば、ユーザーにまっすぐに情報を伝えることができます。インスタグラムを検索エンジンの代わりに使い、ビジュアルを情報収集の場として活用している人も多いでしょう。インフルエンサーの数も多く「インスタ映え」の写真が撮れる業界、コスメやファッションはもちろんのこと、飲食や旅行など、見た目で訴求できる業種の発信にも向いています。

若年層に強く、拡散も期待できるTwitter

ツイッターの特徴で注目すべきは、その拡散性の高さです。自分の考えを自由に表現することが可能で、Twitterのシェア機能であるリツイートは他社のシェア機能より迅速に情報共有される傾向にあります。匿名性が高いため、ゲームやアニメ関連、バンドなど音楽活動や占いといったエンタメ業種の発信に向いています。また、メインユーザーが10~40代と幅広く、投稿にユーモアが求められるのもポイントの一つ。ツイッターはその拡散性の高さから、オウンドメディアへの流入に向いているのです。

信頼性が高くビジネス向けのFacebook 

実名登録という特徴のあるFacebookのメリットはターゲットを選定しやすいことです。Facebookは生年月日や職業など個人情報が記載できるので、ユーザー情報が豊富です。30代~50代の、ある程度の地位のある世代が利用していることが多いです。見て終わるという傾向の強い他のSNSと違い、ユーザーに文章を読ませるフェイスブックは、オウンドメディアの流入に向いているといえるでしょう。

Z世代の心を掴むTikTok 

15秒から1分ほどの短い動画を作成して投稿できる、短尺動画プラットフォームがTikTokです。ユーザー層は10代から40代と年々拡大しています。コンテンツのジャンルとしては初めのころのダンスや自撮りといったジャンルから、ライフスタイルやエンタメ、ドラマ、飲食まで幅広く扱われるようになりました。TikTokのメリットは若いユーザーに届きやすいこと。短い動画で気軽にクリックしてもらえるのです。TikTokの活用ポイントはターゲットユーザーに刺さるコンテンツにすることです。若い世代が多いので共感できるような内容にしましょう。憧れや楽しさを盛り込むことが重要です。

投稿内容は、企画テーマによって見せ方や切り口を変えたり、最新情報を網羅的に掲載するのも新鮮味があっていいでしょうが、オウンドメディア立ち上げ時の大きなテーマや方向性、自社の理念や哲学のような重要な部分が希薄化しないように、気をつけましょう。流行を追うあまり本来の方向性やコンセプトから脱線しないように制作したいものです。一貫性のある姿勢とテーマでコンテンツ制作に取り組むほうが、オウンドメディア全体の流れに統一感が演出されます。ぶれのない姿勢と、自社ならではの個性、そこに適度に流行を取り入れるスタンスで、オウンドメディアを上手くブランディングしたいものです。

今、社会やメディアが関心を抱いているテーマを自社の持つサービスやソリューションと組み合わせて、問題解決型のアプローチを実施し、記事化してSNSで発信することができれば、SNSでの拡散を期待でき、さらにその先にある雑誌・新聞やテレビで取り上げられるような話題づくりが可能になるかもしれません。オウンドメディアの編集チームは常時アンテナを張り巡らせ、世の中の関心事をキャッチしてはそれをコンテンツづくりに反映させたいものです。時事問題と自社の強み、2つの組み合わせで世の中にうまく流せていく試みを実施しましょう。

SNSの投稿頻度には、絶妙なタイミングが必要です。少なすぎればアクティブではないアカウントと思われ、多すぎれば面倒だと感じられる可能性があります。各SNSの1日あたりのおすすめ更新頻度は、以下のようになるでしょう。

一番更新頻度が多いTwitter 

8回~(できるだけ頻繁に更新する)/日  
ツイッターの更新頻度は多い方がいいでしょう。定期的に更新することで注目を集めることが必要です。可能であれば1時間に1回以上更新して自社アカウントを育てましょう。

Facebook    

Facebookは始業前、ランチタイム前後、夜を目安に2回/日
ターゲットの生活リズムに合わせた更新がお薦め。ユーザーがもっとも活発になる通勤時間、仕事前の時間帯やランチどき、退社後の夜を目安に投稿しましょう。

Instagram

一貫性が重要なInstagram 3回/日
Instagramで重要なのは投稿の量ではなくアカウントの一貫性です。どのSNSよりも自社のブランディングこそが優先されるべきです。大きく掲載される画像は共有性が高く、頻繁に投稿が可能であれば1日3回ほどを目安に発信するのがよいでしょう。

TikToK

頻度が重要なTikTok  1回/2日で週3回程度
TikTokにとってベストな投稿頻度は2日に1回と言われています。年々、投稿される動画の質も向上していますので、制作にもこだわり、クオリティの高い記事制作に努めましょう。企業のアカウントとして一定のクオリティを保つためには、2日に1回の投稿頻度を目指して進めましょう。

「いいね」や「返信」などの増える時間帯を狙って投稿するのがベストです。各SNSではユーザーが活動する時間等も異なるので、その点もふまえて投稿しましょう。

●Twitterの場合
平日:7時(通勤・通学時)12時(お昼休憩)17〜20時(帰宅中)21~22時(帰宅後)
休日:19~22時

●Facebookの場合
平日:7時(通勤時)12時(お昼休憩)18時〜20時(帰宅中)21~22時(帰宅後)
休日:午前中、21~22時

●Instagramの場合
平日:7~8時(通勤・通学時)12時(お昼休憩)21~22時(帰宅中、帰宅後)
休日:午前中、21~22時

●TikTokの場合
平日:7時(通勤・通学時)12時(お昼休憩)15時~18時(帰宅中)23時~0時(就寝前の時間)

このように、活動時間を考慮した投稿を心がけましょう。また、オウンドメディアの魅力をSNSで拡散するには「注目を集めたい」と話題性ばかり重視しすぎると、企業が伝えたい肝心の情報が伝わらないケースもあります。

ユーザーに有益かつ一貫性のある情報を発信することが、自社に興味を持つユーザー層の開拓につながります。バズったら成功だ、というような浅い考え方に偏らないよう気をつけながら、ファン化やエンゲージメントの向上を目指しましょう。

インフルエンサーを駆使したマーケティングは、過去のマーケティング手法と比較しても、効果的と言われています。冒頭でも述べたように、近年では広告を避けたいユーザーが、意図的に「広告を非表示」にすることができるからです。

SNSには多数のフォロワー(ファン)を抱えたインフルエンサーが存在し、Z世代始めとしたデジタルネイティブ層は、こうしたインフルエンサーから影響を受けて消費行動の参考にしています。彼らにとっては企業から発信される情報は、いかにも宣伝というビジネス臭が感じられて敬遠される傾向にあります。

バナー広告やリスティング広告はもちろん有効ですが、フォロワー(ファン)を多く抱える彼らインフルエンサーに依頼して、企業の製品やサービスを消費者の視点で紹介してもらうことの効果は、これからの時代、想像以上に大きなものとなるでしょう。

オウンドメディアを広めるSNS運用 5つのポイント
  • 1.ユーザーに適したSNSを活用する
  • 2.一貫性のある投稿と個性でブランディングをする
  • 3.時流を先読みしたテーマでユーザーの興味を引く
  • 4.SNSの最適な更新頻度、適した時間を考慮する
  • 5.SNS広告やインフルエンサーの活用

世の中のトレンドやターゲットの思考を掴み自社のPRになるようSNSを上手く活用していけば、オウンドメディアへの集客効果も十分に期待できます。ユーザーにとって魅力的なコンテンツを制作し発信していくことで、自社に興味を持つファンを、少しずつでも着実に増やしていくことができるのです。SNSの特徴を活かした双方向コミュニケーションにより、商品やサービスへの揺るぎない信頼関係をユーザーとの間に築くことができれば、やがては大きな利益となって自社に還ってくるでしょう。

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トガル株式会社 / コミュニケーションデザイナー
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トガル株式会社 / コミュニケーションデザイナー
クリエイティブとテクノロジーを組み合わせたコミュニケーションの全体設計、クリエイティブディレクション・データ分析までを手がける。
シンプルでエッジの効いたデザイン・コミュニケーションを得意とする

企画・構成・編集:小嶋/執筆:菅原

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