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オウンドメディアは正しいKPI設定で成功する
オウンドメディアを「何のために」運営するのか。またその目的を達成したといえるのは、どんな状態なのかを事前に定めましょう。
達成のための戦略を考えてフェーズ分けし、ゴール(KGI)は一つにFIXして、指標(KPI)はフェーズ毎に設定するのです。KPIツリーを作成しつつ、中長期的な目標と期限も設けて、PDCAで確認しながら最終のゴール(KGI)に向かって進むイメージを描いていきましょう。
この記事は、名古屋でオウンドメディアのKPI設定を行っているトガルがお伝えします。
01
オウンドメディアの目的設定とフェーズ分けは必ず実行する
オウンドメディアの目的を明確にする
自社で運営するオウンドメディアの目的は何でしょうか?ターゲットを選定する前に「オウンドメディアを運営する目的」について整理しましょう。
次のような項目が挙げられます。
<オウンドメディアで効果的な目的例>
〇商品やサービス、企業の知名度の向上
〇優秀な人材の採用
〇既存の顧客とのエンゲージメント(顧客との接触)向上
〇見込み客の獲得
〇見込み客の育成
〇企業価値の拡大
〇オウンドメディア自身でのマネタイズ
〇オンラインからの購入者の増加
目的は可能な限り絞り込んだものであるべきです。
優秀な人材へのPRもしたいしリードの獲得もしたい、オンラインからの購入者の増加も狙いたいなど多くを求め過ぎてしまうと最終目的が漠然となりオウンドメディア立ち上げ自体が失敗する可能性もあります。
KGI・KPIとは何か?
目的の達成のためには計測指標を設定し、進捗を管理することが必要です。KPIとKGIは多くの業種・職種で導入されている計測指標です。
KGIは、「Key Goal Indicator」の略のことです。
最終目標を定量的に示した指標といえるでしょう。日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれています。
一方のKPIは、「Key Performance Indicators」の略です。
KGIに到達するまでのプロセスを定量的に評価するための指標です。「重要業績評価指標」と呼ばれ、中間目標にも位置づけられます。
ひとつのKGIに対し複数のKPIを設定して目標達成を目指すのが一般的です。
KGIとKPIの違いは何かというと、企業目標やプロジェクトのゴールがKGIです。それに対しKPIは各プロセスの進捗の達成度を定量的に表したもの。
あるWebサイトが資料請求100件を目指していたとします。
この「資料請求100件」が最終目標であるKGIです。このKGI(=資料請求)を達成するため必要な、例えば訪問数10,000件やコンバージョン率0.5%UPなどの中間的な指標をKPIと呼んでいるのです。
初期から後期までフェーズごとにKPIを変える
オウンドメディアのKPIは、いくつかのフェーズに分けて設定されることをお薦めします。初期から後期までフェーズごとにKPIを変える理由は、その時々によってメディアの状況やユーザーの流入数も変化していくからです。
「月間成約10件」を目標であるKGIとした時、最初からコンバージョンのみをKPIに設定しても訪問数が少なければ数多くの成果はでません。
流入数が少ない初期にCVをKPIにしていては、検証なども上手く行きづらいはず。しかし、ある程度の流入が見込めている状態で「CV(問い合わせ数)」をKPIに変えた場合は、どうでしょう。CVを改善するための施策を打っていく流れに変わるため、目的に近づけるようになるはずです。
そのために初期には「訪問数」を、それ以降は「コンバージョン」をKPIに設定するなどフェーズによってKPIを変えていくことが重要なのです。
具体的に見ていきましょう。
〇立ち上げ初期(〜1年)
メディアを立ち上げたばかりのフェーズでは、記事数を増やして閲覧数を上げることが重要です。この時期にコンバージョンなどをKPIに設定すると適切な検証ができないので注意が必要です。
■おすすめKPI=記事数、月の表示回数やユーザー数など
〇中期(1年〜1年半)
ある程度の流入が増えてくる次のフェーズでは、記事の検索順位やユーザーの再訪回数を示すセッション数などが重要な指標になります。この時期は本格的に集客に取り掛かっていく時期であり、ユーザーの定着率や回遊率を改善すると、見込み顧客も増えやすいです。
■おすすめKPI=表示回数、検索順位、検索数、再来数など
〇後期(〜2年)
流入数は問題なくてもコンバージョン数に問題を抱えやすいフェーズでは、もう一度、集客への導線を整備したいものです。目標ページへの到達数やコンバージョン数をKPIにすることで改善策が立てられます。
■おすすめKPI=目的ページの閲覧数、コンバージョン数など
02
オウンドメディアのKPIの設定について
KPIは効果測定できることが大前提
当たり前のことですが、KPIはKGIに直結しない指標であっては何の意味もないのです。その指標がゴールを達成する上で本当に効果的な指標かどうかを、しっかりと確認すべきです。また数値化できる指標であることも、重要です。
KPIを「数値」にすることで目標の達成が理解できます。曖昧な目標設定は避けて数値化できるKPIを打ち立てましょう。数値でKPIを設定することで、プロジェクト途中での達成度の検証も可能となるでしょう。
KPIの数字設定 具体例
KPIの数字設定について説明しましょう。KGIをオンラインでの資料請求100件としたケースにおいてKPIを設定する際は、最終的な目標であるKGIより逆算して設定します。
事例のように、新サービスの資料請求をオンラインより100人獲得するというKGIがあった場合、特設Webページにどの位のアクセスがあれば達成できるか、この数値設定がKPIの一つとなりえます。もちろん、それだけではありません。
以下でご説明します。
トップダウンで設定していくケースでは、
資料請求100件(KGI)=訪問者数(KPI)×成約率(KPI)
というようにトップにある資料請求100人というKGIから逆算して、分解しながらKPIを設定していきます。
さらに深掘りして計算をしていきます。
<計算イメージ>
・資料請求100人を達成するためには過去の自社のWebページでの成約率を見ると1%。となると訪問者数は10,000人が必要。
↓
・訪問者数10,000人を達成するためには、過去のリピート訪問者率が大体20%なので新規訪問者のKPIは8,000人必要かな。
↓
・新規訪問者8,000人を達成するためには、 検索から5,000人、SNSからの訪問者数は3,000人位は必要(ツイッターからは2,000人、インスタグラムからは1,000人が・・・)
このように細かく設定していくのです。
オウンドメディアのKPI 具体例
<よくKPI設定に使用する指標を掲載します>
◯コンテンツの配信本数(行動指標)
初期フェーズでよく使うKPI指標です。まずは自社情報を発信し、データを分析して人気記事やじっくり見られる記事などを探していきます
◯Webサイトコンバージョン数・成約数
KGIにも近く大切な指標になることが多いです。ここにつながるまでのKPIを細かく設定できるかもポイントになります
◯コンバージョン率
訪問者のうち何パーセントがコンバージョン(資料請求・購入など)したか?を測る重要なKPI指標。ここを上げることで費用対効果が高まります
◯表示回数(ページビュー)
オウンドメディアの代表的なKPI指標。どれだけページが見られたかで計測します。これも初期フェーズなどで使用することが多いです
◯ユニークユーザー数
メディアに訪問したユーザー数のこと認知度に関わるので代表的なKPI指標の1つです
◯セッションあたりのページビュー数
訪問者が検索で発見した1ページだけでなく、回遊して複数ページを見ているかも大事なKPI指標の1つです。フェーズの中盤から登場することが多くなります
◯リピート率
サイトを何回訪れたか?商品を何度購入してくれたか?などのリピート率です。コンバージョンに直結する大事なKPI指標です
◯SNSでのシェア数
広げていくためにはSNSでの拡散も重要です。ここもしっかりKPIとして見ていきましょう
03
成功までの道筋を示したKPIツリーを制作する
KPI設定に役立つ「SMART」の法則
KPIを設定するときに役立つ「SMART」の法則があります。
下記の5つの基準を用いた目標設定方法で、プロジェクトマネジメントや業務管理における目標を設定する際に使われる法則です。KPIツリー設定前・設定後にも確認しましょう。
S(Specific):明確であるか
→自分以外のメンバーが見て意図が理解できる
M(Measurable):測定可能か
→数字として測定可能なことが必要です
A(Achievable):達成可能か
→実現可能かオウンドメディアのフェーズにあわせて設定します
R(Relevant):KGIとの関連性
→KGIとの連携はもちろん、組織・経営目標とリンクが望ましい
T(Time-bound):期限があるか
→期限を決めて取り組み、実現していく
KPIツリーの作成例
KPIの設定に不可欠なのが「ロジックツリー」です。ロジックツリーとは木の枝のように段階的にブレイクダウンしていく際に有益なツールのこと。このロジックツリーを用いてKPIツリーをつくることで、漏れなくダブりなくあらゆる観点から物事をみることが可能になります。
もちろんロジックツリーの最上層部にあるのが「KGI」です。このKGI(重要目標達成指数)を達成するには「どうすればいいのか」という疑問を段階的に問いつつブレイクダウンしていきます。これによって最終段階で何をしたらいいのかという施策に基づくKPI(重要評価指数)を立てることが可能になります。
04
KPIツリーを指針にして、成功への道を進む
中長期的な目標と期限を設けて見直しを図る
KPIツリーを制作して実施していきながら一定の時期で見直しをしていきます。その際に以下の3点に気をつけると効果的です。
1.数字目標を分解し見直す
例えば「訪問者数10,000人」と設定したとして、運営後の訪問者は、新規訪問者数なのかリピート訪問者数なのか、自然検索なのかSNS流入なのかなどを分解していきます。それぞれの訪問者数を明確にし、その訪問者がコンバージョンにつながったのかなど細かく見ていき数字の見直しを定期的に実施します。
2. 目標数値は現実的だったか?
現実的でない数値を設定しては努力の方法がわからない。逆に設定数値が低すぎるとKPI達成のための努力を怠る可能性も出てきます。現状の数字と現状や将来の展望にデータを加味し、プロジェクトメンバーの意見を聞きつつ、努力の必要な目標数値を常に設定していきましょう。
3. フェーズに合わせて徐々にステップアップ、役割分担をする
高い目標であれば時間がかかるオウンドメディアでいきなりの目標達成は難しいです。 達成までのストーリをつくりフェーズに合わせて目標を徐々にステップアップ。
そして、期間を定め目標設定ごとにプロジェクトを分解しそれぞれにKPIを設定することによって、今何をすればいいのかが分かります。またそうすることでプロジェクトメンバーそれぞれが自分の役割を再認識できるようになるはずです。
KPI設定によるPDCAの回し方
「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(確認)」→「Action(改善)」のPDCAサイクルは業務改善でよく使われますが、このPDCAサイクルと親和性が高いのがオウンドメディアです。自社主導で行え、正確な数値で効果が見えるからです。ただしオウンドメディアで正しいPDCAサイクルを回すには目的(=コンバージョン)に応じてKPIを設定する必要があります。
コンバージョンが「資料請求→リアル成約」の場合
見込み顧客獲得を目的としているオウンドメディアの場合は、Webサイトのみで完結しないためリアル打ち合わせでの成約率を加味する必要があります。
例えば、「訪問者数を1,000人」「そのうち資料請求を10人」「アプローチ後の成約率10%で契約1人」であれば、Webサイトでの訪問者数増、コンバージョン率改善だけでなく、アプローチ後の成約率改善が必要となります。
ECサイトでの売上がコンバージョンの場合
ECサイトはWebサイト上で完結するので、「売上=訪問者数 × コンバージョン率 × 単価」で計算がしやすいです。PDCAサイクルを回すには、各項目をさらに深堀していくと効果が出やすいです。
例えば、「SNSからの訪問者数を20%増やす。そのためにフォロワー0000人増」「カート遷移率を10%から12%に」「月間でのリピート購入割合を8%から15%に増やす」などが考えられます。
分析方法・期間・担当を決めておく
オウンドメディアにおいて、各種KPIの数字、コンバージョン数など数値の分析は非常に重要であり必要不可欠です。分析にはグーグルアナリティクスを使うことが多いです。これは多機能ですが使える方が限られるので分析担当者を決めて定期的に報告会を行うか、ルッカースタジオなどで自動化するのがおすすめです。分析の期間と内容をあらかじめ決めておくことで、効率的に分析ができてPDCAを効果的に回すことができます。
- 1.目的を達成した状態を明確にする
- 2.達成までの戦略をフェーズ分けして考える
- 3.KPIツリーで成功までの道筋を明確化す
- 4.効果測定できるKPI設定
- 5.KPI設定を指針にPDCAをまわしていく
オウンドメディアで大きな成果をつかむには、的確なKGI・フェーズごとの細かなKPIの設定。そしてKGIとKPIを可視化したツリーとチームへの共有、分析・改善の一連の流れが不可欠です。
これらをワンストップで実現できればオウンドメディア運営の成功へ近づくことができます。
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企画・構成・編集:小嶋/執筆:菅原