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“売れない”今だから考えたい3つのこと

2026.01.14
SHEARE

良いものをつくっているはずなのに、なぜか「売れない」。

この記事では、「なぜ売れないのか」ということを、今一度基本の「き」から見直し、実際に行ったアンケートの結果や、筆者の実体験なども交えて“売れない”を抜け出すための3つのポイントを解説します。最後には、あらゆるテクニックよりも大切、でも忘れがちな「たった一つの本質」についてもお伝えします。
「なぜ売れないのか」と迷ったときに、ぜひ読み返してみてください。

市場調査、想定顧客のニーズ把握、商品・サービスの企画開発、どれも抜かりなく取り組んできたものの、思ったように売れない。そんな時は、もっと手前にある根本的なことを見落としているのかもしれません。

まず、“情報に埋もれ消費者に届いていない”ということです。

4大マスメディアに加え、インターネットやSNS、AIやアルゴリズムによるレコメンド、SNSの双方向コミュニケーション、私たちは想像以上に日々情報に忙しく暮らしています。十数年前であれば良かったかもしれませんが、便利であるはずの情報が増えすぎた今、消費者のもとに特定の商品・サービスの情報が届きにくくなっているという大前提が存在しているのです。

“成功イメージやストーリーを示すことができていない”ことも考えられます。

私たちは非常に多くの優れた商品・サービスに囲まれています。一見、何不自由のない理想的な環境ですが、「どれも似たようなもの」だと、どことなく退屈さを感じているのも事実です。

そのため、消費者は機能や品質の差異ではなく、成功(高揚感、充実感、希望など)を手にできるのかといったことや、つい引き込まれてしまうストーリーを求めているのです。これらを伝えられていない商品は、消費者目線で見ると「わざわざ選ぶ理由がない」ということになるのです。

ここまでは、なぜ“売れない”のか、その根本的な原因について整理してきました。ここからは、当社が独自に行ったアンケート結果や、筆者の実体験なども踏まえ、“売れない”からの脱却に向けた3つのポイントを紹介します。

購入してもらうには、消費者の選択肢に入っていることが前提条件です。氾濫する情報の中にあるターゲットのもとへ情報を届け、選択肢に入るためには「適切なチャネル設定」「内容のセレクト」などの情報戦略が求められます。

出典:NRI「生活者年末ネット調査」(2016年12月、2021年12月)のデータをもとにトガルが作成

例えばこの調査結果からは、若者(10代、20代)は検索エンジンではなく、SNSで情報を収集するようになっていることが読み取れるため、若者にはSNSでの情報発信が非常に有効であることがわかります。昔は新聞やテレビが、少し前まではネットでの情報発信が届くツールでした。このように、時代によっても届け方が変わってくるのです。

かといって、時流に乗ってSNSを強化すれば良いというわけではありません。場合によっては、今でも新聞広告や看板の方が効果的なこともあるでしょう。

どんなアプローチをすれば狙いのセグメントに接触できるか、どんな表現がターゲットとなる消費者に刺さるのかを多角的に検討し、パーソナライズしていくことも重要です。

当社が独自に行ったアンケート(以下「アンケート」という)によると、「商品購入後の自分をイメージできるかどうかが、商品の購入判断に影響するか」という問いに対して、65%以上の人が「商品購入後のイメージが購入に影響する」と回答しています。

出典:トガル「ショートドラマと購買意識に関するアンケート」(2025年10月)

「商品購入後の自分のイメージ」というのがつまり、先ほど登場した「成功イメージ」です。ただ所有するだけでなく、それを手にした自分の生活が良い方向に変わる成功をイメージさせることが、商品・サービスを選ぶ動機付けとなります。

このためには、商品・サービス購入前、そして後の変化を疑似体験できる仕組みづくりが重要となります。ここで注意したいのが、企業視点ではなく、あくまで消費者視点であること。例えばユーザー事例やリアルなレビュー動画など、自分と同じ消費者視点での成功をイメージできるような仕組みづくりが大切です。

アンケートによると、「購入している商品は共感もしくは好感を抱いているものですか?」という問いに対して、70%以上の人が「購入商品に共感もしくは好感を抱いている」と回答しています。

出典:トガル「ショートドラマと購買意識に関するアンケート」(2025年10月)

機能や品質をアピールするだけでは、共感や好感を生むことはできません。そこに込められた信念や背景、つくり手の顔が見えるコンテンツなどを打ち出すことで、そのストーリーで消費者の心を動かすことができます。その熱意や思いが「このブランドだから」「この商品だから」という購入の動機付けとなるのです。

また一貫したストーリーの発信は、企業と消費者の間に信頼感や愛着、興味を醸成します。それは短期的な視点でみた競合との差別化だけでなく、中長期的に選ばれ続けるためのブランディングの起点にもなるという点で、非常に重要なポイントです。

トガル「ショートドラマと購買意識に関するアンケート」について:
(2025年10月実施)
対象範囲:中部地方(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県の9県)
対象者:20歳以上、59歳以下の男女(男性121人、女性120人の計241人)

ここまで説明した「選択肢に入る」「購入後の成功をイメージさせる」「共感・好感を生む」のポイントは、実際にどのように機能するのでしょうか。
ここでは商品の購入に至った実例として、筆者(30歳男性、釣りが趣味)の実体験をもとに説明したいと思います。

数年前、とにかく楽しい釣りができるような楽しい釣り竿を求めて、新製品の展示イベントに足を運びました。

会場でさまざまなブースを回っていくつか心をくすぐるデザインの釣り竿に出会うことができましたが、その場ですぐに購入しようと思う商品には出会えず、いくつか気になった釣り竿の写真だけ撮って帰ることにしました。

しばらくして、いつものように釣り動画をあれこれ見ていると、イベントの際に写真を撮っておいた釣り竿に関する動画がおすすめに挙がってきました。

釣り具メーカーのテスターがその釣り竿を手にし、青々とした山に囲まれた清流の中に立ち入り、ツンと空気の張りつめた静かな場所に立っています。そして魚との緊張感あるやり取りの末、一匹の魚を釣り上げていました。

釣場のシチュエーション、釣り竿の曲がり具合、釣り竿のデザインと風景の調和、そのすべてが自身の釣りのスタイルにマッチしていました。その釣り竿を、お気に入りの釣り場で使っている自分を鮮明にイメージすることができたのです。

ただその釣り竿は非常に高価だったこともあり、その場ですぐには購入に踏み切れませんでした。

その後情報収集を進める中で、その釣り竿の開発者が開発秘話を語った記事を発見しました。そこには「釣果よりも、釣りを楽しめる竿、すべての釣りが思い出になる竿をつくりたかった」という、開発者のリアルな言葉が綴られていました。

この思いやコンセプトは、まさに自分の求めているものでした。そのときに初めて「この釣り竿しかない」と確信し、その瞬間に購入を決めたのです。

まず、釣り具という製品の性質上、実際に見て触れられる機会は非常に重要です。そのため「製品の展示イベント」という、その目的に適したチャネルの選択が重要になっていることがわかります。

しかしそこでは選択肢に入っただけで、まだ検討段階です。そこで実釣動画によって自身の良い未来を鮮明にイメージ。さらには開発者の言葉に共感・好感を覚えたことで購入に至るというステップを踏んでいきました。このエピソードから、価格やデザイン、性能を超えた部分での“売れる”理由を実感していただけたのではないかと思います。

最後に、“売れる”“売れない”を考えるときに思い出したい、「たった一つの本質」をお伝えしたいと思います。

それは、商品・サービスは、それを届ける相手への“贈り物”であるということです。

“売れる”商品・サービスをつくろうと思うとどうしても、“売れる”条件に当てはめることに必死になってしまいがちです。しかし本来商品・サービスをつくる本質は「届ける人を幸せな気持ちにできるか」というところにあります。つまり商品・サービスとはニーズを満たすのではなく、幸せにするための“贈り物”であるべきなのです。

贈り物には2つの側面があります。それは「相手のためである」こと、そして「自分もその贈り物に愛着がある」ということです。いくら相手のためを思っていても、自分が良いと思えないものを大切な人にはあげられないでしょう。そして自分が良いと思ったものをあげても自己満足にならないのは、受け取る側の幸せを真に願っているからです。

商品・サービスをつくるうえでも、相手のニーズばかりを考えるのではなく、「自分が真に良いと思うもので相手の人生を幸せにする」という視点が不可欠です。何が相手にとって贈り物になるのかを前提に据えて商品・サービスを考えることで、消費者と企業が特別な関係を構築していくことができるのです。

“売れない”を脱却する5つのポイント
  • 適切なチャネルと発信内容で情報を届ける
  • 消費者に「ストーリー」を伝えられているか意識する
  • 消費者に購入後の「成功」をイメージさせる
  • 商品やサービス、企業姿勢を通して共感と好感を生む
  • “贈り物”を届けるように、商品・サービスを考える

今回は基本に立ち返って、“売れない”を脱却する方法を考えていきました。モノがあふれる世の中で、消費者は買う「意味・意義」を「成功イメージ」「ストーリー」に見出しています。情報を的確にターゲットに届け、購入後の成功をイメージさせ、共感と好感を生む仕掛けをすることで消費者にとっての「意味・意義」を満たし、選ばれる仕組みをつくっていきましょう。

そして忘れてはならない本質が、商品・サービスは“贈り物”だという視点です。相手の幸せを願い、自分の愛着を持った贈り物をする。贈り物を考えるときの気持ちはいつの時代も変わりません。“売れる”商品・サービスを考える際は、贈り物を送る気持ちをもって、消費者の心を動かしていくことが大切です。

名古屋で「売れる設計」をするならトガルへ

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どこまでも“らしさ”を大切にしたい。
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企画・構成・編集:ひさぴー/執筆:西村

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