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企業SNS|投稿アイデアの出し方とネタ切れしない運用術
企業SNSを運用についてよくご相談をいただくのが「何を投稿したら良いかわからない」「会社や商品の紹介はひと通りやって、もうネタがない」といったお悩みです。
日々の業務に追われる中で「とにかく何か投稿しなければ」と考え、その都度ネタを探し、形にする。この繰り返しでは、運用は行き詰まりやすくなります。
企業SNSに必要なのは、発想力やセンスではなく、投稿アイデアが自然と生まれ続ける仕組み作りです。社内にある情報を整理し、活用し、メディアとして積み上げていく設計へと、視点を変えることが重要です。
今回は、企業SNSで“ネタ”に悩まないための運用術について解説します。
この記事は、名古屋でSNS運用をおこなっているトガルがお伝えします。
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01|SNS投稿アイデアは“センス”ではない
ネタ切れは担当者の発想力不足か
企業SNS運用を続けていくと「投稿ネタが思いつかない」という壁に直面します。会社紹介や商品紹介はひと通りやり尽くした、キャンペーン投稿も毎年やっている、もうそろそろ“ネタ切れ”だと感じる…。それでも、日々の業務に追われながら「次に投稿するものを決めなければ」と、企画を考え続けなければならず、疲弊した経験のある人も多いのではないでしょうか。
このような状況では、時に、担当者個人の発想力や企画力が問われる場合があります。しかし実際には、企業SNSにおいて「投稿ネタが回らなくなる」原因は、担当者の発想力や“センス”にあるわけではありません。
企業SNS運用で“センス”よりも大切なこと
企業SNS運用における「成果」とは、事業成果に寄与している状態を指します。それはすなわち、売上や新規顧客の獲得など事業KGIに貢献すること。SNSで何を発信していくかは本来、この運用目的に沿っておのずと決まっていくものです。
すでに社内にある情報を、どんな視点で、どのような順番で、どう発信していくのか。これらを整理することにより、“ネタ切れ”に悩まない運用体制をつくることができます。
<関連記事>企業SNS運用で成果が出ないと感じたときに見直したい運用設計
02
SNS投稿ネタは「探す」のではなく「活用する」
SNS投稿アイデアに困ると、つい「使えそうなネタを探そう」と行動してしまうかもしれません。トレンドになっている投稿、よく見かける表現、他社の取り組みなど。しかし、こうした「探す」前提の運用は場当たり的な側面が強く、投稿の軸の“ブレ”を感じさせるなど、企業SNS運用が不安定的になる恐れがあります。
トレンドや競合他社のリサーチはもちろん必要ですが、ここでは「探す」から視点を変えて、「すでに社内にある情報をどう活用するか」という視点で考えてみたいと思います。
企業SNSのネタは、すでに社内にある
企業が日々行なっている活動の中には、SNSの投稿につながる情報が数多く存在します。たとえば、以下のものはすべて、表現次第でSNS投稿に活用することができます。
・事業背景、企業理念などの考え方
・商品やサービスの特徴
・開発や改良のプロセス
・よくある質問や問い合わせ内容
・レビューなどで得た顧客の声や反応
・働く社員の声
これらの情報は、新しく考え出したり取材したりしなくても、すでに社内に蓄積されているものも多いはずです。
社内の情報をSNS用に翻訳する
投稿ネタは案外、身近なところにあると感じていただけたでしょうか。次に考えなければならないのが「SNS向けの投稿としてどう切り取るか」についてです。
事業や商品に関する情報は、そのままの状態ではSNS投稿になりません。社内では当たり前の前提や専門用語も、社外の人にとっては初めて触れる情報であることがほとんどです。たとえば、開発担当者にとっては常識ともいえる商品仕様や、営業資料では当然とされている自社の強みなど。こうした情報も、そのまま発信してしまうと「伝わらない」状態に陥りがちです。
そこで求められるのが「翻訳する」という視点です。
・専門的な内容を、どうわかりやすく噛み砕くか
・消費者が疑問を持つのはどの部分か
・どの順番で伝えれば顧客理解が進むか
こうした整理を行なうことで、一つの情報から複数の投稿アイデアが生まれます。企業SNSで発信すべきなのは、流行っているネタそのものではなく、会社として伝える意味のある情報です。
この視点が定まっていないと、どれだけネタを集めても、投稿は場当たり的になってしまいます。

「何を発信すべきか」を先に決める
投稿ネタに悩まないためには、「何を投稿するか」より先に、「会社として、何を発信するのか」を整理する必要があります。
たとえば、
・販売促進を目的に、商品情報を発信する
・リピーターを増やすために、使い方や活用シーンを発信する
・ブランドのファン創出のために、考え方や背景を発信する
・検討を後押しするために、顧客の疑問や不安に応える発信をする
上記のような発信の“軸”が定まっていないと、毎回ゼロからネタを考えなければなりません。発信する領域をあらかじめ決めておけば、投稿ネタはその中から“選ぶ”作業に変わります。
次章では、こうした考え方を前提に、企業SNSの投稿のアイデア出しを「仕組みとして回す」ための運用術を整理していきます。
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ネタ切れしない 企業SNS運用術
運用術 1|コンテンツスケジュールを組む
投稿ネタに悩み続ける企業SNSの多くは、「今週、何を出すか?」という視点で運用しています。しかし、本来考えるべきなのは「この期間、何を伝えるのか」という設計です。
そこで必要となるのが「コンテンツスケジュール」です。コンテンツスケジュールとは、年間・半期・四半期といった一定期間の中で、強化するテーマや商品・サービス、どのタイミングでどんな情報を出すのかを、あらかじめ整理しておく設計図のこと。
たとえば、
・新商品発売の数ヶ月前から、開発の裏側を少しずつ見せる
・商品のオンシーズン到来前に、使い方や選び方を段階的に発信する
・ストーリーズでアンケートを取り、商品改善に活かす
・季節性や販促施策と連動させる
こうした発信を場当たり的に行なってしまうと、最適なタイミングを逃したり、他の業務が立て込んだ際に投稿が滞ってしまったり、機会損失につながりやすくなります。
企業SNSは単発の投稿の集合体ではなく、事業と並走するメディアです。事業計画に合わせて、スケジュールの大枠を決めておけば、SNSというツールの強みを最大限に活かすことができるでしょう。

運用術 2|「企画会議」を定期実施する
コンテンツスケジュールは、一度作って終わりではありません。事業状況や顧客の反応、社会の動きに合わせて、柔軟に調整していく必要があります。
その調整の場として機能するのが、定期的に実施したい「企画会議」です。
ここでいう企画会議では、前月の投稿の振り返り、次月のテーマ確認、事業の動きとのすり合わせを行ないます。企画会議を設けることで、トレンドや社会的な話題を取り入れたり、必要に応じてコンテンツスケジュールの見直しや変更を行なうことができ、最適な運用を継続することができます。
また、他部署のメンバーを巻き込んだ企画会議を展開できれば、社内に眠っている情報や視点の掘り起こしにもつながります。たとえば、商品開発部から開発途中の新商品の情報をヒアリングし、コンテンツスケジュールに組み込んだり、広報部と連携して販促企画を新たに設けたり、新たな投稿アイデアが生まれる機会となるはずです。
企業SNS運用は、レギュラー企画だけで回すのではなく、イレギュラーな企画も柔軟に取り入れながら進めることで、SNS媒体という強みを最大限に発揮することができます。そのためにも、“考える時間”を運用の中に組み込み、“ネタ切れ”しない運用基盤を築くことがポイントです。
運用術 3|投稿コンテンツの「型」を作る
毎回ゼロから投稿を考えていくと、どうしても“ネタ切れ”を起こしがちです。テーマがあっても、「どう見せるか」をその都度で考えていれば、当然、時間も労力もかかってしまいます。
そこで有効なのが、投稿コンテンツの「型」をあらかじめ作っておくことです。「型」とは、投稿のテーマと見せ方を一定パターンに整理すること。
たとえば、以下のような例が挙げられます。
CASE)掃除用品を展開する企業アカウントの場合
【フィード投稿】
(型A)商品紹介
(型B)選び方/比較解説
【リール投稿】
(型C)使い方/活用シーン解説
(型D)開発の裏側/プロセス紹介
このように、投稿形式ごとにテーマを固定しておけば、あとは商材や情報を差し替えていくだけで投稿が成立します。毎回「何を投稿するか」から考えるのではなく、「今月のテーマを、どの型に当てはめるか」と考える。この違いだけで、担当者の負担は大きく変わります。
一定の枠組みがあるからこそ、中身の質を高めることに集中でき、投稿や情報のクオリティアップにもつながります。企業SNSは、感覚やひらめきで回すものではなく、仕組みで回すもの。型づくりは、その第一歩です。

運用術 4|コンテンツは「使い回していい」
SNS運用担当者が抱えてしまう誤解のひとつに、「毎回、新しいネタを出さなければならない」という思い込みがあります。しかし実際には、SNS上のコンテンツも閲覧するユーザーも日々刻々と移り変わり、非常に流動的です。一度発信した情報でも、見せ方や投稿タイミングを変えれば、何度でも価値を持たせることができます。
ここで一点、注意点を挙げると、画像も文章も全く同じコンテンツを量産する、いわゆる「コピーコンテンツ」を指すのではない、ということです。コピーコンテンツはSNS上でスパムなどの不適切行為と見なされる可能性があり、アカウント停止などの処分を受ける恐れがあります。また、ユーザー目線で見ても「このアカウントは同じ内容ばかりでつまらない」という印象を与えかねず、フォロワー離脱などを招きます。
では、「コピーコンテンツ」に当たらない“投稿コンテンツの再利用”とは、具体的にどのようなものを指すのか。以下に例が挙げてみます。
・リール投稿をフィード投稿に再編集する
・複数の単発投稿を「まとめ投稿」として再構成する
・過去の投稿を最新版としてアップデートする
・反応が良かった投稿を別の切り口で展開する
これらの手法は、ひとつのネタを複数の形式・複数の視点で展開する「1ソース・マルチユース」という発想です。
すべての投稿を新しく作り続ける必要はありません。むしろ、過去の投稿資産は活かしていくべきものです。再利用を前提に設計しておけば、情報は“消費”されるのではなく、“蓄積”されるものに変わっていきます。
企業SNS運用は、瞬間的なバズを狙うのではなく、事業理解を少しずつ積み重ね、企業や商品のファンを形成していくことが重要です。だからこそ、作って終わりではなく「活かし続ける」という視点が必要になります。

04
それでも回らないと感じたら「運用体制」を見直す
企業SNS運用のサイクルを回すためには
企業SNS運用は、片手間で続けられる業務ではありません。設計・実行・分析というサイクルを回す前提で体制を整えておく必要があります。
「コンテンツスケジュールを組む余裕がない」「企画会議や型の準備まで手が回らない」そう感じる場合には、運用を回せる体制や設計を見直す必要があるかもしれません。
今の人員で回せる設計になっているか。担当者の負担になっている業務は外部の支援を頼ることはできないか。まずは、今の運用が継続できる構造になっているのかを整理することから始めてみてください。
- SNS投稿ネタは「探す」のではなく「活用する」
- コンテンツスケジュールを組む
- 企画会議を定期実施する
- 投稿コンテンツの「型」を作る
- 投稿コンテンツは使い回す(1ソース・マルチユース)
名古屋で「SNS運用」ならトガル株式会社へ
目的整理・導線設計・改善まで一貫して伴走します。 「何から相談すべきか分からない」段階でもお気軽にご相談ください。
話し手も聞き手も。一人ひとりの思いを大切に汲み取って、実直にクリエイティブに向き合っていきたい。
企画・構成・編集・執筆:たけ



