シンプルでエッジの効いたデザイン・コミュニケーションを得意とする
CONTENTS
SCROLL
まちと共に走り“誇りを醸成”するトガルの地域活性化
地域活性化の目的は単に来訪者を増やすことではなく、そこに暮らす人・訪れる人双方が喜びを感じられるような、いきいきとしたまちをつくることです。均質化され、どこにでもあるような街並みではなく、「このまちだから住みたい」「このまちだから訪れたい」と思えるような“そのまちらしさ”を見出し、まちへの“誇りを”育んでいくことが、いきいきとしたまちづくりにつながります。
私たちトガル株式会社では、実際に地域と共に地域活性化を行っています。今回はそんなトガルだからできる、まちの“誇り”を醸成する地域活性化を伝えていきたいと思います。
各セクションに事例へのリンクを掲載しています。ぜひ合わせてご覧ください。
この記事は、愛知県で地域活性化事業に取り組むトガルがお伝えします。
01
トガルの取り組む地域活性化とは?
“共創型”“自走型”のまちづくりに向けた、一気通貫の地域活性化スキーム
いきいきとしたまちづくりのために重要なのは、地域の魅力を見つけ、掘り下げて、磨き上げること。「まちの魅力の磨き上げ」とは、具体的にはまちの魅力を見つけて新たな価値をつけ、コンテンツに昇華することを指します。さらには行政や一部の団体が主導するのではなく、住民自身が「自分ゴト」として、店舗や事業者・行政と協力し合いながら活動していく、そんな「共創型」「自走型」のまちづくりこそが本質だと考えます。

そのためにはまちの中だけではなく外の人も含めた多様な主体との連携、そして効果的な発信による「まちの魅力の共有」が不可欠です。日常に埋もれた価値を“そのまちらしさ”として言語化し、共有する過程の中で“まちへの誇り”が育っていきます。
そしてまちのために行動する人が増えることが、さらなる地域活性化につながる好循環を生み出していくのです。
<この記事もおすすめ>
住民主体のまちづくりをデザインする、“コミュニティデザイン”の役割 >
私たちはまちの魅力の掘り起こしだけにとどまらず、その可視化や伝え方のデザイン、地域内でのコミュニケーション活性化、さらには地域外コミュニティとの連携促進に取り組んでいます。次のセクションからは、トガルが取り組む一気通貫の地域活性化スキームの考え方を解説していきます。

02
共通言語化できる“まちの魅力”の設計
<現地調査>「あたりまえ」に隠れる「魅力」を掘り起こす
「まちの魅力」と一言でいっても、見る人、見る角度によって多種多様で異なる魅力を持っているものです。そのまちに住む人しかわからない空気感や文化もあれば、中の人にとって当たり前すぎて見過ごしてしまう日常が、外から見ると新鮮で心惹かれる魅力に映ることもあります。そのため、現地調査も中からの視点・外からの視点を意識して行うことが重要です。
まちの中と外、両方の視点に立ってまちの魅力を探し出し、それを重ね合わせることで、地域に根差した“そのまちらしさ”を掘り起こしていくことができます。

<コンセプト設定>「魅力」を磨き、未来を切り開く一点突破のコンセプトを設定
現地調査で見つけた“そのまちらしさ”は、そのままではターゲットに刺さるものにはなりません。「誰に」「何を」伝えるべきなのかを、土地の歴史やポテンシャル、外から見た期待値、競合や隣接地域との差別化など多角的な視点から検証し、本質となる“核”を特定していきます。平均点に寄せてバランスをとるのではなく、強みを磨き上げ、“一点突破”で際立たせるコンセプトをつくる。それが私たちのやり方です。
<調査・ターゲット設定例>
競合・隣接地域のベンチマーク調査:
強み/弱み、アクセスなどを比較し、優位性・差別化の余地を見極め、より具体的な魅力を見定めます。
市場規模・人口動態の把握:
居住・昼夜間人口、年齢構成、来訪圏、季節性の変動を把握します。
ターゲットと来訪者ジャーニーの設定:
ペルソナごとの情報接点→移動→滞在→消費→再訪・推奨までの導線を可視化します。
↓
資源×需要の適合を見つける:
体験・食・景観・産品などと需要の“合う点”を特定し、一点突破の訴求軸を絞り込みます。
ただしここまでは、あくまで「過去」と「現在」から見たまちの魅力にとどまります。まちづくりには短期的な取り組みではなく、未来を見据えた持続的な取り組みが不可欠です。そのため、まち特有の歴史や文化を踏まえた「未来のありたい姿」をビジョンとして描き、人々を惹きつけるコンセプトを練り上げていきます。
<CI/VI設計>磨かれたまちの魅力を可視化するCI/VIで、地域内外の意識を変える
CI/VI(コーポレートアイデンティティ/ビジュアルアイデンティティ)は、一点突破のコンセプトを可視化するものです。核となるスローガン、ロゴを定めることで、地域の魅力が可視化されてまちの内外に伝わりやすくなります。
まちの中に向けてはまちの魅力の再認識、愛着と誇りの形成に、外に向けてはそのまちを訪れる・関わる・応援する動機づけにつながります。可視化することがまちに関わる多くの人々の意識を変え、行動変容を促すきっかけとなるのです。

また、CI/VIによって可視化されたまちの魅力は、方向性に迷ったときや巻き込む人が多くなってきた際の道しるべになります。CI/VIがあることでグラフィック・Web・映像など複数媒体で訴求する際にも統一感と一貫性のあるメッセージを発信でき、それがさらなるまちへの愛着と誇りにつながっていくことが期待されます。
03
コミュニケーション戦略1:「伝わり方」までデザインする発信・PR施策
<PR戦略>ワンテーブル・一気通貫で方針を決める
地域活性化は多種多様なバックグラウンドを持つ人々が集まり、コミュニケーションを取りながら進むのが一般的です。そんな多様なステークホルダーが足並みをそろえられるよう、ワンテーブルで戦略を考えていきます。
<実施例>
地域ブランディング会議の運営:
地域住民、店舗、企業、行政などが一堂に集まり、まちの魅力を語り、方向性を決める会議を運営。
ワンテーブルPR会議:
PR/SNS/Web/デザイン/イベント/観光・商工/行政担当/若者代表が同席し、PR施策、クリエイティブ方針などを決める。
メッセージ設計の「一枚絵」:
ブランドプロミス → キーメッセージ → 証拠(データ/エピソード) → 行動喚起 を一図で共有。
広告素材管理:
写真・動画・ロゴ・テンプレを一元管理。媒体別トンマナ/サイズ規格を統一。
リアルタイム「ニュースルーム」運用:
現場素材を即時収集 → 当日SNS/翌日Web/週内PRへ展開。
編集カレンダー:
季節・行事・収穫・祭礼と連動して、発信の山谷を設計。

そして限られたリソースの中で最適な発信を行うためにも、誰に・何を・どの順番で・どの媒体で届けるのかをゴールから逆算して設計し、ターゲット・媒体・コピー・タイミングを一気通貫で整理していきます。各チャネルの役割を明確にして順序設計を行うことで、“伝わり方”そのものをデザインし、スピードと成果の両立につながるのです。

<見るべきポイント>
優先順位と露出順:
コスト/インパクト/実装難易度/パートナー可用性で評価し、メッセージ・媒体・タイミングの最適な順番を決めます。
リスクと検証:
天候・交通・人員・ルール等の制約を明文化し、スモールスタート/A/Bテストで検証します。
また地域活性化を中長期的にとらえると、イベントなどの単発の話題づくりではなく、持続的な発信が欠かせません。そのために、一過性ではなく持続的なPR戦略の設計や媒体の選定も重要となります。
<一過性ではなく“続く”コミュニケーション例>
長尺媒体の活用:
サイン、常設展示、地域・小学校向け配布冊子、来訪者マップなど接触時間が長い媒体に投資。
継承プログラム:
小中学校の“まちのらしさ”学習、子ども記者、昔写真を集めるアーカイブ連載。
SNS運用
・季節・イベント連動シリーズで“継続発信”の土台をつくる。
・テンプレ&トーンガイドで標準化(縦動画/画像比率/文体ルールを統一し、誰が投稿しても“らしさ”が揺れない状態に)
・地域住民・店舗の「インスタ部」発足・サポート(1回の撮影会・投稿勉強会を開催し、住民・店舗アンバサダーが自ら発信の仕組みを構築・サポート)

<地域に向けたSNSセミナー事例>
地域活性化SNSセミナー「駅西SNS相談会」を開催 >
<アウトプット>“まちのらしさ”を広げ、ファンを生み出すクオリティの担保
地域とともに考え、可視化された“そのまちらしさ”を核に、未来を感じさせるキービジュアルで発信します。PR施策ではまちの歴史と未来像を社会の潮流と結び、いま語るべき物語へ翻訳。ポスター・SNS・Web・印刷物・映像へ横断展開し、ユーザーの場所・時間・気分に寄り添った文脈設計で接点を最適化します。
そして、最も大切なのはアウトプットのクオリティです。アートディレクション、コピー、写真・映像、色・書体・モーションまで精度を突き詰め、どのタッチポイントでも“らしさ”が揺らがないようにします。公開前のレビュー体制とチェックリストで質を担保し、地域の意見を取り入れ効果検証で磨き続けます。発信は目的ではなく、未来へ続く関係をつくる手段。だからこそ、戦略から実装まで一貫した高品質で届けます。

04
コミュニケーション戦略2:地域内外を巻き込むコミュニケーションデザイン
<地域内コミュニケーションの活性化>まちの魅力を住民主体でさらに高める
「共創・自走型のまちづくり」の実現に向けては、一方向的な発信だけでなく、地域内外を巻き込むコミュニケーションの仕組みづくりが大切です。
特に、私たちがまず重要視するのが、地域住民の巻き込みです。地域住民のコミュニケーション機会を持続的につくることにより、まちの誇りが醸成され、それが来訪者の体験価値を高める、そんな波及効果が期待できるのです。
私たちは、相互交流を生む地域イベントの設計・運営、店舗横断のキャンペーンや回遊企画などの「場」と「コト」をつくりだし、地域内コミュニケーションの持続的な活性化を図っています。一人ひとりの個性が交わることで、企画や商品、プロジェクトが次々と生まれる土壌を育み、まちの魅力の向上につなげています。
<実施例>
・地域イベントの設計・運営(住民を巻き込むお祭り・フード・街歩きイベントを企画運営)
・店舗横断のキャンペーン/回遊企画・実施(共通スタンプ/回遊マップ/連動クーポンで「店⇄店」「店⇄地域拠点」をつなぐ導線づくり)
・地域のWebサイト/SNSアカウントの設置(情報の“ハブ”を整え、発信と参加導線を統一。)
この3点の「場づくり × 回遊 × 情報ハブ」を揃えるとともに運用支援を行い、地域内の関係・発信の自走をサポートします。

地域内外を巻き込むコミュニケーションデザイン事例
<デジタルスタンプラリー事例>
デジタルスタンプラリーで地域を巡る
名古屋市・名古屋駅西エリアで「駅西さんぽデジタルスタンプラリー」開催 >
<店舗を巻き込んだフェア(祭り)事例>
地元飲食店の相互交流、来訪者の増加、店舗間の回遊を実現
「駅西さんぽ祭り」で名古屋駅西エリアの地域活性化 >
<地域のお土産制作事例>
地域の看板メニューをあつめた「駅西キーホルダー」の制作・販売 >
<地域外コミュニティとの連携>関係人口を育て、来訪と共創を生む
関係人口とは、地域の“外”に暮らしながらも、継続的に訪れる・支える・発信する人たちのこと。移住者と観光客の間にいる存在で、まちの力を底上げする仲間です。この“仲間”を着実に増やし「参加者」から「共創者」に育てていくため、私たちは継続的な関わりの仕組みづくりに取り組んでいます。
例えば産学連携で地域資源×課題解決に挑み、職業体験で滞在を伴う学びと“第二の居場所”を提供しています。空き家/空き店舗ポップアップで外部出店と住民の接点を増やし、コラボ商品づくりで「購入→訪問→推奨」の循環を生み出します。
さらに、SNSアンバサダーやふるさとサポーターの仕組みで継続発信と参画を後押し。これらを地域拠点と情報発信で束ね、来訪者と関係者を増やし、まちに愛着を持つファンを着実に育てていきます。最終的に、一方的な発信ではなくUGCが自走する状態を目指しています。
<巻き込み(参加型施策で関係人口と共創者を増やす)例>
・住民アンバサダー制度の策定・運用:月1の素材提供ミッション、限定イベント招待、認定バッジ。
・まち歩きミッション/スタンプラリーの計画・実施:近隣エリア連携も視野に回遊を設計。
・産学連携の企画・実施:大学ゼミのフィールドワーク、商品開発やPR連携。
・PTA/学校連動サポート:親子ワークショップ、地域新聞づくり。
・ボランティア/モニター募集・運営サポート:イベント運営や体験造成を一緒に。
SNS運用
・投稿キャンペーンの開催(月間ベストUGCを表彰し、地域商品を副賞に。参加・再訪のきっかけを作る。)
・近隣エリアとの相互メンション/ハッシュタグ連携(広域での露出と回遊を促進し、関係人口の裾野を拡大。)
・チェックイン企画・ARフィルター実施(来訪時の“その場投稿”を後押し。現地体験とSNS発信をシームレスにつなぐ)

地域外コミュニティとの連携事例
<産学連携事例>
地域と学生と一緒に地域の魅力を掘り起こす
小学校で「おいせ川あま酒プロジェクト」第一弾「伝説紙芝居」発表会を開催 >
<産学官連携事例>
学生のアイデアとデザインによる地域づくり「トガル×名古屋造形大学×中村区 産学官連携事業」
産学官連携PJ「名駅西エリアPR事業」開始 >
名駅西エリアPR事業「つづく つながり 駅西」 ポスタープロジェクト 完成 >
- 「あたりまえ」に隠れる「魅力」を探し出す
- 磨かれたCI/VIで地域住民の誇りを高める
- アウトプットのクオリティにこだわる
- 自発的な地域内交流でまちの魅力をさらに高める
- 関係人口を育て、来訪と共創でファンを増やす
愛知県で「地域活性化」ならトガル株式会社へ
シンプルでエッジの効いたデザイン・コミュニケーションを得意とする
企画・構成・編集:小嶋/執筆:西村



